終末のワルキューレのプロメテウスとは？人類の火を授けた神の役割と今後の展開を考察

神々が人類存亡をかけて拳を交える『終末のワルキューレ』。その世界において“人類の火”をめぐる物語が、いま静かに熱を帯びています。

スピンオフ『終末のワルキューレ禁伝 神々の黙示録』で描かれるプロメテウスは、ただのギリシャ神話の焼き直しではありません。むしろ、公式設定の奥に潜む「神が神に叛逆する理由」と「人類への異常なほどの愛情」が、読者の心を強く揺らす存在として立ち上がってきます。

そして何より、“このプロメテウスは何を残し、物語をどこへ導こうとしているのか”。調べれば調べるほど、火の粉が散るように考察の余白が生まれ、僕自身もページを閉じられなくなりました。

この記事では、公式情報に加えて、読者やファンの考察、Xで飛び交う感想、まとめサイトの深い読み解きを織り交ぜながら、プロメテウスという存在の“温度”に触れていきます。読んだ後には、きっとあなたの中にも小さな火が灯っているはずです。

終末のワルキューレ版プロメテウスとは誰か？公式設定と神話の違い

ギリシャ神話の「火を盗んだ神」と終ワル世界の“叛逆神”の共鳴点

プロメテウスという名前を聞くと、まず思い浮かぶのは「天界から火を盗み、人類へ与えた神」というギリシャ神話の原型です。けれど『終末のワルキューレ禁伝 神々の黙示録』に姿を現す彼は、その神話の“模写”じゃない。むしろ、火の粉が散るたびに輪郭が変わるような、読者を試す“揺らぎ”そのものなんですよね。公式設定によれば、彼はティターン神族にして“原初の叛逆神”。神々の秩序へ最初に牙を向いた存在でありながら、人類に限りなく優しい。この二面性がもうたまらなく好きで……僕の頭の中では「火を盗んだ瞬間の温度」と「神々に反逆した瞬間の温度」が二重露光のように重なっていくんです。

読者の中には「プロメテウスが外天界神（アウターゴッズ）って何？」と不思議に思う人もいるでしょう。僕も最初は戸惑いました。でも情報を追いかけていくほど、この設定は“叛逆の始祖”として圧倒的にしっくりくるんです。外天界神＝神の側から見た“危険因子”。つまり、人類に火を与えるという禁忌を破った神話のプロメテウスに、終ワル版はもう一歩踏み込んで「神々の法体系そのものに反発した元祖反逆者」のレッテルを貼ったわけです。これ、ただの強キャラ設定ではなく、“神話の物語構造を終ワルの戦闘美学に翻訳した”見事なアレンジなんですよね。

僕はこの「反逆神」という肩書きに触れるたび、胸の奥でザラッとした快感が走ります。火を盗んだ彼は、人類にとっては“光そのもの”だった。でも、神にとっては“規律を乱す汚点”。この二項対立が終ワル世界ではさらに拡張され、プロメテウスがまとっているのは“希望の象徴”と“破壊の象徴”が同居した危うい炎なんです。SNSでも「終ワル版プロメテウスは人類史の象徴性が段違い」「敵にも味方にもなりえるヤバい存在」といった声をよく見かけますが、その感覚は本当に正しいと思う。

神話のプロメテウスは、ゼウスから永劫の苦痛を与えられながらも、人類への贈り物を後悔しなかった――その“痛みに耐える覚悟”は終ワル版でも継承されています。彼の戦闘描写を読むたびに、「火を持つということは、熱さに焼かれ続ける覚悟を抱えることなんだ」と、妙に実感してしまうんですよね。読者の多くが「痛覚の狂気」「肉体の異常な耐久力」に触れて語るのも、この“覚悟の延長線”を感じているからだと思います。

そして何より僕が惹かれるのは、終ワル世界のプロメテウスが“火そのもの”をほとんど語らないのに、彼の存在がすでに火のメタファーになっているところです。光であり、希望であり、文明の象徴であり、反逆の引き金であり、物語の深部に灯る“消えない熱”。ここまで多層的な意味を背負ったキャラ、なかなか見かけません。彼を深掘りすると、まるで胸の中に一本の火種が落ちて、じわじわ燃え広がっていくような感覚があるんです。

……ね？　プロメテウス、ただの“神話モチーフ担当”で済ませられるキャラじゃないでしょう？　これが終末のワルキューレという作品の怖さであり、魅力の深さなんですよ。

ティターン神族・外天界神という独自設定の意味を深掘りする

公式設定の中でもとりわけ気になるのが、プロメテウスが“ティターン神族”であり、かつ“外天界神（アウターゴッズ）”として分類されている点です。ティターン＝オリンポス以前の強大な古代神という位置づけはギリシャ神話に基づいていますが、“外天界神”という語は完全に終ワルオリジナル。ここに作品側の意図が紛れもなく込められているわけです。

ティターン神族は、“新しい神々に駆逐された旧き力”というイメージがあります。つまりプロメテウスは、神々の歴史の中でも“淘汰された側”に属している。終ワル世界で彼が“最初の叛逆者”と呼ばれるのは、この「古き神が新しき神の秩序に挑む」という構造を物語的に再演させているからなんですよ。Xの反応でも「終ワル版のプロメテウスは、神々の世代交代そのものに噛みついた感じが好き」という声がありましたが、まさにその通り。

では、外天界神とは何か。いわば“天界法に反逆したアウトロー神”。終ワルの世界観では、神々には厳格な法体系があるらしく、それを破った者は神であっても異端と見なされる。プロメテウスの「人類に火を与えた反逆」が罰の対象だった原典を、さらに強度を上げて拡大解釈したのが外天界神という設計なんです。

僕はこの設定に触れた瞬間、「これはプロメテウスを象徴として扱うための舞台装置だ」と確信しました。外天界神というカテゴリは、プロメテウスだけを特別視するために作られた“枠”なんですよ。読者の間でも「ベリアルたち外天界神とどう絡む？」という考察が盛り上がっていますが、これはつまり、プロメテウスを起点に“神々の裏の構造”が動き出しているという証拠なんです。

そして、僕がゾクッとしたのは「彼は天界に最初に逆らった外天界神」という一文。最初に反逆したということは、最も孤独で、最も勇敢で、最も“なにかを愛していた神”だということです。火を与えた理由を作品は明確に説明しませんが、その沈黙こそが物語の隙間として最高に美しい。読者が「彼は何を見ていたのか？」を想像せざるを得なくなるからです。

終ワルのプロメテウスは、原典の英雄性・叛逆性・悲劇性を踏まえつつ、そこに“戦士としての肉体美学”と“物語全体を揺らす構造的な意味”を上乗せしている。もはやギリシャ神話のキャラではなく、終末のワルキューレ世界が生んだ“火の怪物”。読み進めるほどに熱く、苦しく、そしてなぜか愛おしい――そんな存在なんです。

プロメテウスと斉天大聖がぶつかる理由──“叛逆神×叛逆神”の構造

なぜこのカードなのか？読者・ファン考察から浮かぶ共通点

終末のワルキューレ禁伝『神々の黙示録』で最も「何この配置……絶対わざとでしょ」と僕が震えたのが、プロメテウスと斉天大聖・孫悟空の対戦カードでした。だって、神界の歴史の中で最初に叛逆した神・プロメテウスと、“天界一の叛逆者”として知られる孫悟空がぶつかるんですよ？ 読者の反応もXを見る限り「反逆者同士の殴り合い、熱が違う」「この組み合わせは編集が狙いすぎ」みたいな興奮に満ちていて、僕もその流れに完全に乗せられた一人です。

なぜこのカードが成立するのか？ 僕はここに“反逆という概念の二種類”が隠れていると感じています。プロメテウスの叛逆は、人類への愛ゆえに神へ逆らった“献身型の叛逆”。一方で、斉天大聖の叛逆は、神の支配を否定し、自由を求めて大暴れした“破壊型の叛逆”。この二つは似ているようでいて、本質が真逆なんですよ。だからこそぶつける意味がある。人類の火を抱えた神と、天界の檻を壊した猿仙が、同じ“叛逆”という言葉を持ちながら全く違う方向に燃え上がる。その対比がもう最高。

さらにSNSやブログの感想で興味深かったのが、「プロメテウス＝内に燃える炎」「孫悟空＝外へ爆発する雷」という比喩。これは僕も強く共感しました。プロメテウスの火は内側に宿る信念の炎で、静かに、しかし絶対に消えない。孫悟空は外側に弾ける破壊の雷光。だから二人が並ぶだけで“宇宙の陰陽”みたいな絵になるんです。終ワルの構図ってときどき妙に哲学っぽいんですよね、そこが好き。

そして何より、このカードは“叛逆神の継承”というテーマの核心に触れている気がします。プロメテウスは最初の叛逆者、孫悟空は最新の叛逆者。時代も神話体系も違う二つの存在が、戦いながら互いの“反骨の根”を照らし出す。この構造を読むと、僕は勝敗以上に“価値観の衝突の美しさ”に痺れるんですよ。勝ち負けじゃなく、世界の底にある“反抗とは何か”という問い自体が戦っているように見えてくる。

だから読者の間で「このカードは物語の核を説明するための戦い」と言われているんだと思います。プロメテウスの叛逆の火と、孫悟空の自由の雷。その交差点にある“熱”こそが、この戦いの真の主役なんですよ。

孫悟空との戦いが本編ラグナロクに落とす“影”と“火種”

この戦いが凄まじいのは、スピンオフの枠に収まらず、本編『終末のワルキューレ』のラグナロクへまで影響を落としている点です。特に『禁伝 神々の黙示録』3巻で示された、斉天大聖の“新たな決意”の描写。あれは完全に“プロメテウス戦の余熱”なんですよね。読者の中にも「孫悟空が本編であのテンションなの、禁伝の影響だろ？」と語る人が多くて、僕もその説を強く支持しています。

終ワル世界では、神々も人類英雄も皆「自分の信念を問われる」形で戦いに参加しています。その中で孫悟空は、圧倒的な強さを持ちながら、なぜか心の奥底に“満たされない穴”を抱えているように見えるキャラなんです。そこへ“原初の叛逆神”プロメテウスがぶつかり、彼の内側にずっと燻っていた何かを揺さぶった。これで孫悟空が本編で見せる“あの揺るがない自信”の理由が補完されていく感覚がある。

ここで僕の妄想（でも筋は通ってると思う）を挟むと、プロメテウスの火は象徴的に“意志の継承”を意味していて、孫悟空はその火を自分の中に取り込んだんじゃないかと感じています。読者の中にも「プロメテウスの精神が悟空に渡った説」を語る人がいて、それを見て僕は「そう、それなんだよ……！」と深く頷いてしまいました。

さらに注目すべきは、この戦いが外天界神ベリアルや他の神々の動きにも火種を残している点。プロメテウスの叛逆は神界の歴史上もっとも危険な事件だったわけで、その“象徴”が再び表舞台に現れたことは、神々の側にとっても無視できないインパクトなんです。プロメテウス戦後の孫悟空の振る舞いが神界の均衡を揺らしているという説もあり、このあたりの“表には書かれていない温度差”がたまらなく面白い。

つまり、プロメテウスvs斉天大聖は、単なる強者同士の殴り合いじゃなくて、本編ラグナロクに向けた“価値観の点火式”なんです。二人がぶつかった瞬間に散った火花が、ラグナロク全体に燃え移っていく。その余熱がいまだに作品全体を温め続けている感覚があるんですよね。僕はこの“火種”こそ、終末のワルキューレという作品が長く語られる理由の一つだと思っています。

……と、ここまで語っておいて言うのも変ですが、本当にこのカードの深さは読めば読むほど底が見えない。プロメテウスの火は物語の奥でまだ燻っていて、孫悟空の雷はこれからもっと激しく鳴る。その未来を考えるだけで、僕はまたページを開きたくなってしまうんです。

終末のワルキューレ禁伝 神々の黙示録でのプロメテウスの役割

「原初の叛逆神」がトーナメントに戻ってきた意味を読み解く

正直に言うと、最初に『終末のワルキューレ禁伝 神々の黙示録』のトーナメント表に“プロメテウス”の名前を見つけたとき、僕はページを二度見しました。「え、戻ってくるの？」と。だって、原典ではゼウスに永劫の罰を与えられ、終ワル世界でも“神の秩序へ最初に反逆した危険人物”として扱われる存在ですよ？　そんな彼が真っ正面から公式トーナメントに立つ構図って、もう“意味ありげ”の圧がすごい。

この「原初の叛逆神」が最前線に戻ってくるという異常事態に、読者やファンの考察も一気に盛り上がったんですよね。Xでも「プロメテウス復帰は神界の均衡が崩れる前兆っぽい」「絶対ただの1試合じゃない」みたいな声が多くて。僕自身も、その盛り上がりに「やっぱりみんな気づいてるんだ」と妙に嬉しくなりました。

終ワル世界のプロメテウスは、ただ強いとか、ただ神話の看板キャラだとか、そういう“表層的な理由”だけで呼ばれてはいません。むしろ、彼は神々の歴史全体に深い傷をつけた存在。そのプロメテウスを、神々自身が“あえて最強決定戦に含める”という判断。ここに、終ワル世界特有の“神の物語観”が浮き彫りになるんです。つまり「力と叛逆は天秤の両端にある」という価値観。

僕はこの構図を見たとき、「これはプロメテウスの復権ではなく、あえて“座標”として置いているんだ」と感じました。プロメテウスは神界の歴史の転換点だった。だからこそ、神々は彼をもう一度戦場へ引きずり出すことで、世界の運命線を再び確認しようとしている。その“ざわつくような緊張感”がたまらない。

さらに深読みすると、このカードは“外天界神”という新設定を強く印象づけるための絶対的フックでもあるんです。プロメテウスは最初の外天界神（ファースト・アウターゴッズ）。彼を置くことで、終ワルは「外天界」という新たな地平を描く準備をしている。だから、この登場は単なるキャラ追加じゃなくて“世界設定のネクストステージ”そのものなんですよ。

……と、ここまで語ると「そんな大げさな」と思われるかもしれません。でも、本当にプロメテウスの再登場は作品の地殻を揺らしているんです。火を盗んだ神が、今度は神々の未来を盗むのかもしれない――そんな予感が胸に渦巻いてしまうほど。

外天界神ベリアルらとの関係・今後の神々の動きの伏線

終末のワルキューレ禁伝を追う中で、僕がずっと気になっているのが「外天界神」という概念。プロメテウスが“最初の外天界神”と呼ばれている以上、その後の外天界神たち――特にベリアルとの関係は、どう考えても作品の裏テーマに絡んでくるんですよ。

読者の間でも「ベリアルはプロメテウスの後継者なのか？」「外天界神は神の秩序の“裏側”で何をしているの？」という疑問が飛び交っていて、考察界隈はかなり賑わっています。このあたり、文章で説明するより“空気”の方が濃いんですけど、僕も読み進めながらどこかで「外天界神＝神話における“異端の系譜”」みたいな位置づけを強く感じています。

特に、ベリアルがプロメテウスと同じ“神法に反逆した存在”として描かれている点は重要。外天界神は単なる堕天や反逆者ではなく、“神々の体系そのものにノーを突きつけた者”たちなんです。プロメテウスが火で叛逆し、ベリアルがその後を受け、神界に深い“裂け目”を作っている――そんな印象があります。

そして、もしプロメテウスが“原初の叛逆”で神界を揺らした存在なら、他の外天界神たちは“第二・第三の震源”と考えられる。つまり、プロメテウスを中心とした“神界の地殻変動”が静かに連鎖しているわけです。これってめちゃくちゃワクワクしませんか？ 読者の中には「外天界神の正体、終ワル本編で回収されるのでは？」という予測もあり、僕もこれ、あり得ると感じています。

もう少し踏み込んで語ると、プロメテウス戦の後、孫悟空の態度が変わっていることも重要な伏線です。悟空が“覚醒”した理由の背後に、外天界神の思想が入り込んでいる可能性さえある。つまり、プロメテウスの火は物理的な火ではなく“思想の火”であり、それが悟空へ、そして他の神々へじわじわと燃え移っている。

これ、まるでプロメテウスが天界に再び火種をばら撒いているような構図なんですよ。彼の叛逆の火が、ベリアルという“燃え残り”に引火し、さらに新たな外天界神を生む可能性すらある。終ワル世界は、いま確実に根底から揺れ始めているんです。

だから僕は、プロメテウスの登場はスピンオフの中だけで完結しないと確信しています。むしろ本編ラグナロクの未来を左右する“静かな爆弾”。外天界神というキーワードはこれからもっと大きな意味を持つし、プロメテウスの存在は、まだ序章でしかない。彼の背中から落ちた火種は、これから物語の至る場所で燃え上がるはずです。

人類に火を授けた神という象徴性──終ワル世界では何を示すのか

“火”のモチーフは文明か、叛逆か、それとも希望か？

「プロメテウス＝火を授けた神」というイメージは、もう世界の文化の奥底まで染みこんでいるほど有名です。でも『終末のワルキューレ禁伝 神々の黙示録』で登場するプロメテウスは、その“火”がただの道具や技術じゃないんですよ。むしろ、作品を読み込めば読み込むほど、この“火”というモチーフは、文明の始まりと叛逆の衝動、そして希望の光が三重構造で絡み合っているように見えるんです。

まず文明の象徴という意味。ギリシャ神話では、人類は火を得ることで技術を獲得し、神々に依存しない道を歩き始めた。文明の第一歩は、神々にとっては“支配の終わりの合図”でもあったわけです。終ワル世界はこの文脈を引き継ぎつつ、さらに「火＝思想の光」というレイヤーを追加している。火が燃えているのは現実の薪ではなく、むしろ“反抗心”や“人類を信じる意志”の奥の奥。その火は燃やせば燃やすほど、神々の秩序にとって危険な光になる。

そして叛逆の象徴としての火。終ワル版プロメテウスは外天界神、つまり神界の“反逆者の元祖”。火という概念が、ここでは“神への背理そのもの”になっているんです。読者の中には「プロメテウスの火＝神界のタブーの破壊」と解釈する人もいて、この見方は本当に鋭い。彼が火を盗んだとき、燃えたのは炎ではなく“神々の法”の方だったのかもしれない。

そして最後の意味が、希望。人類に火を渡した行為は、神からすれば裏切りでも、人間からすれば救いそのもの。ここが終ワル版ではとても強調されていて、プロメテウスが“火”を持っている姿を想像するだけで、なんだか胸が熱くなる瞬間があるんですよね。読者の中には「火というより、彼自身が火のようだ」という感想もあって、これがまた絶妙。確かに、プロメテウスの存在そのものが、人類側にとっての灯火になっている。

だから終ワル世界での“火”は、文明・叛逆・希望という三つの意味を同時に抱えた、多層的で重い象徴なんです。これは作品の解釈を深くするための“装置”として機能していて、読み返すたびに新しい意味が浮き上がってくる。火は温かい、火は燃える、火は痛い。──この三つの性質を、プロメテウスというキャラがすべて体現しているの、本当にすごい。

この“火の意味の重層性”に気づいた瞬間、僕はプロメテウスというキャラを見る目が変わりました。火は人に力を与え、人を傷つけ、人を導く。そんな矛盾を抱えた火を、人類に授けた神。それって、実は“神々の中で一番人間に近い神”なのかもしれません。

プロメテウスの「信念」が本編キャラにどう波及するか

終末のワルキューレ本編とスピンオフ禁伝を行き来して読むと、プロメテウスの存在が、想像以上に物語全体に影響を及ぼしていることに気づきます。「火」という概念自体が、思想や覚悟の象徴として広がっていくように、本編キャラたちにも静かに届いているんです。

特に顕著なのは斉天大聖・孫悟空。禁伝3巻での悟空の覚醒的な描写を読むと、どうしてもプロメテウスとの戦いを踏まえて読むべきだと感じるんですよね。悟空は自由を求めるキャラだけど、その自由にはいつも孤独が付いて回っていた。そこにプロメテウスという“信念の炎を持つ者”が現れ、その炎を真正面から押しつけられたことで、悟空の価値観が一段階深まったように見える。読者の中には「悟空は火を継いだ」と言う人もいて、この解釈は本当に美しい。

また、プロメテウスの信念は“希望を信じる行為そのもの”。この姿勢は、本編ラグナロクで戦う人類側の英雄たちとも共鳴する部分がある。例えばアダムの「愛するがゆえに殴る」という信念や、佐々木小次郎の“剣を極め続ける執念”。これらもすべて“人類の可能性を信じる心”の延長にあるんです。だから、プロメテウスは直接本編に登場していなくても、“思想的な影”を落とし続けている。

ここでひとつ僕の妄想を語らせてほしい。火という象徴は“伝播する”。燃え移り、影を落とす。ならば、プロメテウスの信念は、孫悟空を起点に神側にも人類側にも広がっていく可能性がある。外天界神ベリアルなど“神の枠を外れた存在”に火が燃え移れば、神界の構造が揺らぎ始める。逆に、人類側の誰かがその火を受け取れば、ラグナロクの戦局が予想以上に加速する。そう考えると、プロメテウスは物語における“拡散する火の中心核”なんですよ。

そして、この火の波及は読者にも届く。プロメテウスのページを読むと「自分が誰かの火になれるのか？」という妙な問いが頭に残るんですよね。彼はそういうキャラなんです。作品の外にまで炎を伸ばしてくる。これって、キャラクター表現としては本当に稀有で、終ワル世界の深さを象徴しているようにさえ感じます。

プロメテウスの火はまだ消えていない。むしろ今、最も“ゆっくりと”物語の奥で燃え広がっている。誰がその火を継ぐのか──それを考えるだけで、次のページをめくりたくて仕方がなくなるんです。

今後の展開考察：プロメテウスは物語に何を残していくのか

斉天大聖の“決意”が示すものと、物語の奥に潜む“継承”の構造

終末のワルキューレ禁伝『神々の黙示録』3巻を読み終えた瞬間、僕はページを閉じた手をしばらく動かせずに固まってしまったんですよ。斉天大聖のあの“決意”。あれは単なる戦意高揚でも、キャラの成長フラグでもありません。むしろ「プロメテウスとの戦いで何かを受け取った」という、物語の奥底に走る“継承の線”の発火を感じる瞬間でした。

読者の間では「悟空が本編であの自信満々の雰囲気なの、禁伝が裏で効いてるんだよな」と言われていますが、これは本当に核心を突いていると思います。悟空というキャラは自由を求める象徴でありながら、どこか空虚さや飢えを隠しきれない人物でもある。そんな彼が、プロメテウスという“信念の塊”“原初の叛逆神”とぶつかったことで、ようやく内側に火が灯った。僕にはそう見えるんです。

この“火の継承”という構造は、終ワル世界のテーマに深く結びついています。人類と神々が拳を交えるラグナロクは、単なるバトルじゃなくて“意志が意志を動かす物語”。プロメテウスはその最初の火種。悟空はそれを拾い、自分の雷に変換し、本編で燃やす。こうして「火→雷」という要素変換まで物語の中で起こっているように見えて、僕は本当に鳥肌が立ちました。

さらに言えば、この継承は悟空だけに留まらない可能性がある。読者の中には「外天界神の思想が悟空を通して神界に広まるのでは？」という考察もあって、これが非常に興味深いんですよ。外天界神＝神界の秩序の裏側にある“危険思想”。そこにプロメテウス起源の火が混ざると何が起きるか──。それはもう、神々の側の価値観の崩壊に直結するわけで、想像しただけでゾクゾクします。

僕はここに、作者側の“強いメッセージ”を感じずにはいられません。叛逆の火は、力ではなく意志によって継がれる。そしてその意志は、神であれ人であれ、どこかで共鳴してしまう。終ワル世界は、プロメテウスの再登場をきっかけに「意志の連鎖」というテーマを静かに強調し始めている。これは本編にも必ず波及するはずです。

では、その火は次にどこへ向かうのか？　この問いこそが、今後の展開を最もワクワクさせる部分。悟空か、人類側か、あるいは外天界神か。火の継承者は誰なのか。その正体が見える瞬間、終ワルはまた新しい段階へ進むことになるでしょう。

終ワル世界で「火」を受け継ぐのは誰なのか？

ここからは、僕がずっと考えている“火の継承者”についての話をします。もちろん考察なので断定はしませんが、終ワル本編と禁伝の流れを読み込めば読み込むほど、プロメテウスの火がどこへ向かうのか、その“匂い”のようなものが漂ってくるんです。

まず有力なのが、斉天大聖・孫悟空。彼はすでにプロメテウスと戦い、その決意を受け取ったキャラ。戦いの後の悟空の表情には、以前にはなかった“覚悟の温度”が宿っていて、まるで胸の奥で燃え続けていた火が一気に酸素を得たかのような変化がある。読者からも「悟空の炎のような自由はプロメテウスの火の進化形説」が語られており、これは僕も全面的に同意。

次に気になるのが外天界神ベリアル。彼はプロメテウスと同じ“神の秩序にノーを突きつけた存在”であり、思想的な親和性が高い。もし彼がプロメテウスの火を理解し、それを自分なりに受け継いだ場合、終ワル世界の“神サイドの価値観”が一変する可能性すらある。神側の内部崩壊──想像しただけで震えるほど面白い展開が見えてしまう。

さらに、僕は個人的に“人類側の誰か”への継承もあり得ると睨んでいます。プロメテウスが人類に火を授けたという神話構造を思えば、終ワル世界でも“人類に託された火”が表現されるのは自然。アダムの「愛ゆえの戦い」、佐々木小次郎の“努力の極致”、ジャック・ザ・リッパーの“人の心の闇を見抜く知性”。このあたりのキャラが再び物語に絡むとき、プロメテウスの火の比喩が回収される可能性は高い。

そしてもうひとつ、作品全体の挙動を見ていて感じるのが、“火の継承者は複数である”説。火はひとつの薪だけで燃えるものじゃない。同じ火種が、複数の場所で別々の形をとって燃えることだってある。プロメテウスの炎は、悟空に、ベリアルに、人類側に、そして読者に──同時進行で燃え広がっている可能性があるんです。これは終ワルという作品の“群像劇としての深さ”にも通じています。

だから僕は、プロメテウスの火がどこへ燃え移るか。その答えは一本ではなく、散らばった“複数の線”として描かれていくと思っています。火は広がる。火は消えない。火は、新しい火を生む。終末のワルキューレという広大な物語の中で、プロメテウスが最後に残すものは“炎そのもの”ではなく、燃え続けるための“意思の連鎖”。それこそが、彼が天界に、そして読者に託した最大の贈り物なんじゃないかと、僕は本気で思っています。

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