『杖と剣のウィストリア』64話では、ロスティの帰還とサミオス陥落が判明し、遠征は一気に敵地攻略へ変わります。
第64話「迷宮列車珍道中」は、魔導列車を舞台にした軽妙な会話劇から始まりながら、最後には「破滅の書(ゴーティア)」との戦闘を予感させる重大な事実が明かされました。
笑える移動回だと思って油断していると、足元の線路ごと物語の進路を切り替えられる。そんな静かな怖さを持った一話です。
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『杖と剣のウィストリア』64話ネタバレの結論|局面を変えた出来事とは?
『杖と剣のウィストリア』64話で局面を変えた最大の出来事は、目的地サミオスがすでに破滅の書の手に落ちていると判明したことです。
ウィルたちは新たな目的地へ向かっているのではありません。知らないうちに、敵が支配する場所へ運ばれていたのです。
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さらに前回の終盤に姿を現した人物がロスティであることも明らかになり、彼がエルファリアから送り込まれた「エージェント」である可能性がきわめて高くなりました。
第64話の重要な出来事を整理すると、次のようになります。
出来事 第64話で分かったこと 物語上の意味
ロスティの再登場 前回現れた人物がロスティだった エルファリアが遠隔地からウィルを支援できる
エージェントの正体 ロスティがエルファリア側の協力者と示される 正体や誕生経緯への疑惑が強まる
迷宮列車の仕組み 魔法使いが魔力を供給して動かしている 魔導技術の華やかさと過酷さが同時に描かれる
女性陣の恋愛話 コレットやリアーナのウィルへの思いが表面化 仲間同士の感情関係が今後の伏線になる
サミオスの陥落 目的地が破滅の書に掌握されている 移動任務が敵地への突入作戦に変化する
敵勢力の待機 マルゼや首無しらがサミオスにいる 到着直後から戦闘になる可能性が高い
前半の笑いと後半の緊張は、一見すると温度差が大きく見えます。
しかし筆者としては、この落差こそが第64話の狙いだと考えています。読者が恋愛話や列車の仕組みに気を取られている間にも、列車は止まらず敵地へ近づいているからです。
楽しい時間が長いほど、その先に待つ危険は濃くなる。第64話は、休息回の顔をした出撃前夜でした。
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『杖と剣のウィストリア』64話でロスティが再登場|エルファリアのエージェントで確定か
第64話では、前回の最後に現れた人物がロスティだったことが確認されました。
ロスティはウィルの学園生活を身近で支えてきた魔工科の人物です。しかし、これまでの出来事を踏まえると、その存在は単なる友人や技術者という枠に収まりません。
今回、エルファリアが語っていた「エージェント」に当たる人物としてロスティが姿を現したことで、ロスティとエルファリアの関係は、ほぼ隠し切れない段階に入ったといえるでしょう。
ロスティの存在にワークナーが疑問を抱く
ロスティの姿を見たワークナーは、驚きと疑念を隠せないような反応を見せます。
ワークナーからすれば、ロスティが平然と現れること自体が不自然です。過去の状況を知っている人物ほど、「なぜここにいるのか」「本当に同じ存在なのか」という疑問を抱くことになります。
ただし、ワークナー自身も胸に大きな傷を負った状態から戻ってきた人物です。
そのため、互いに「なぜ生きているのか」と問い返せそうな構図になっているのが面白いところ。生還者同士が向き合いながら、片方だけが相手の異常性を疑う場面には、この作品らしい少し意地悪なユーモアがあります。
一方で、この反応は笑いだけでは終わりません。
ロスティの正体を疑う人物が増えれば、いずれウィル本人にも秘密が伝わる可能性があります。ワークナーの視線は、正体暴露へ向かう小さな導火線にも見えるのです。
ロスティはエルファリアの分身なのか
読者の間では以前から、ロスティがエルファリアによって作られた特殊な分身、あるいは彼女が遠隔で動かしている器ではないかと考察されてきました。
第64話でも、その秘密が明確な言葉で説明されたわけではありません。
ただし、ロスティがエルファリアのエージェントとして動き、彼女と同じようにウィルを最優先する姿勢を見せたことで、両者を結ぶ線はさらに太くなりました。
通常の氷の分身とは異なり、ロスティには人格や生活の積み重ねがあるように見えます。
ウィルと同じ部屋で過ごし、魔工の技術を学び、仲間たちと会話し、自分自身の感情を持つ存在として振る舞ってきました。仮にエルファリアが生み出した存在だとしても、単なる道具と呼べるのかは判断が難しいところです。
ここがロスティというキャラクターの怖さであり、切なさでもあります。
彼がエルファリアの意思から生まれたのだとすれば、ロスティの「ウィルを支えたい」という思いは誰の感情なのでしょうか。エルファリアの愛なのか、ロスティ自身の友情なのか、それとも両方が分けられないほど混ざっているのか。
第64話は答えを出しません。
だからこそ、ロスティが楽しげに女性陣の会話へ入り込む姿にも、笑いだけでは片づけられない余韻が残ります。
なぜエルファリアはロスティを送り込んだのか
エルファリアは至高の五杖という立場にあり、塔の外へ自由に出られる人物ではありません。
ウィルが危険な場所へ向かっても、自分の身体でそばに立つことは難しい。その制約を越える方法として用意されたのがロスティだとすれば、彼の役割は監視ではなく護衛に近いでしょう。
ウィルが信頼できる相手として自然に同行し、必要な装備や知識を渡し、戦闘時には剣の力を引き出す支援を行う。
エルファリアが直接触れられない距離を、ロスティが埋めているのです。
筆者としては、この仕組みを単なる便利な魔法とは感じません。
塔の頂点に到達したエルファリアが、欲しいものを何でも得られるわけではなく、幼なじみの隣に立つために別の姿を必要としている。その事実は、彼女が持つ強大な力と孤独を同時に示しています。
強くなったのに、会いに行けない。
だから、自分ではない誰かを作ってでも隣にいる。そこまで考えると、ロスティの存在はエルファリアが積み重ねてきた年月そのものに見えてきます。
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『杖と剣のウィストリア』64話の迷宮列車|魔導技術の正体は人力だった
第64話の舞台となるのは、迷宮を進む特殊な魔導列車です。
外見や名称からは、高度な魔導機構が自動で動かしているように思えます。しかし実際には、列車を走らせるための魔力を魔法使いたちが直接供給していました。
つまり、見た目は未来的でも、動力源は乗員です。
男性陣が汗だくになりながら魔力を注ぎ続ける一方、後方では女性陣がくつろいで会話を楽しんでいます。この極端な対比が、第64話前半の笑いを生みました。
ただ、これは単なるギャグではないでしょう。
『杖と剣のウィストリア』の世界では、魔法が万能の奇跡として扱われる一方、その奇跡を支えているのは魔法使いの肉体と消耗です。
華やかな塔や魔導技術の裏には、必ず誰かの労力がある。
迷宮列車は、その世界構造を小さく切り取った装置にも見えます。
魔法が使えないウィルと迷宮列車の皮肉
魔法使いが魔力を注いで走らせる列車は、ウィルにとって非常に皮肉な乗り物です。
彼は並外れた肉体能力を持ちながら、通常の魔法を使えないため、魔法至上主義の社会では長く劣等生として扱われてきました。
ところが今回、列車を前へ進めるために求められるのは、魔法の優雅さではなく継続的な負荷に耐える体力です。
高度な魔法を使えるだけでは足りず、汗を流しながら力を出し続けなければならない。そう考えると、迷宮列車はウィルの価値観に近い場所で動いています。
魔法とは、美しい光を放つことだけではない。
目的地へたどり着くまで力を止めず、仲間を運び続けることも魔法の役割です。その意味では、ウィルが剣で示してきた愚直な前進と、列車の仕組みはよく似ています。
「珍道中」という題名に隠された不穏さ
第64話の題名は「迷宮列車珍道中」です。
恋愛話や人力同然の列車を描く内容にはぴったりで、最初は気楽な移動回に感じられます。
しかし、列車が到着するサミオスは敵の手に落ちています。
乗員たちがその事実を知らない間も、列車は決められた線路を進み続けます。この状況を踏まえると、「珍道中」という軽い題名そのものが不穏です。
旅の途中では笑えても、終点には戦いがある。
読者だけが少し早く危険を知ることで、何げない会話の一つひとつに「この時間はいつまで続くのだろう」という緊張が混ざります。

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『杖と剣のウィストリア』64話の恋愛関係|ロスティ、コレット、リアーナの本音
迷宮列車の車内では、女性陣による恋愛話が始まります。
ところが話を進めていくと、関心の中心にいるのは全員ウィル。戦闘では迷いなく前へ出る少女たちが、恋愛になると互いの視線を探り合う構図が描かれました。
ロスティが真っ先にウィルへの関心を口にするのは、エルファリアとの関係を考えると非常に意味深です。
もしロスティがエルファリアの意思を強く反映する存在なら、あの積極性はエルファリア本人の嫉妬や独占欲が表に出たものとも考えられます。
リアーナのウィルへの感情が表面化
今回とくに注目すべきなのは、リアーナの反応です。
リアーナは塔へ進んでから、完璧な騎士という初期の印象とは異なる一面を見せるようになりました。戦闘では頼もしいものの、日常では不器用で、感情が絡むと平静を保てなくなることがあります。
第64話では、そんなリアーナがウィルを意識していることを周囲に察知されます。
ただし、現段階で彼女の感情を明確な恋愛だと断定するのは早いでしょう。
ウィルはリアーナの価値観を揺さぶり、彼女が理想としてきた強さとは別の形を見せた人物です。尊敬、信頼、救われた感覚、異性としての好意がまだ混ざり合っている可能性があります。
だからこそ面白い。
最初から恋をしていたコレットや、長年ウィルだけを見てきたエルファリアとは違い、リアーナの思いは共闘の中で少しずつ育っています。
本人がまだ名前を付けられていない感情を、周囲のほうが先に見つけてしまったような場面でした。
コレットは以前からウィルを支えてきた
コレットのウィルへの好意は、今回初めて示されたものではありません。
彼女は学園時代からウィルを気にかけ、周囲が彼の可能性を信じない状況でも味方であり続けました。
エルファリアがウィルにとって「幼い頃から追い続けてきた約束の相手」なら、コレットは「苦しい現在を隣で歩いてきた相手」です。
どちらが上という話ではありません。
エルファリアが遠くからウィルを導く星なら、コレットは足元が崩れそうなときに手を握る存在。二人が担ってきた役割は異なります。
そこへリアーナが加わり、さらにロスティの姿を通じてエルファリアの意思まで会話へ参加する。
第64話の恋愛話は、単純な取り合いに見えて、実際には「誰がウィルのどの時間を支えてきたのか」を並べる場面になっています。
ウィル本人は恋愛の中心にいると気づいていない
ウィルは多くの人物から好意や信頼を向けられていますが、自分が恋愛関係の中心にいるとはほとんど認識していません。
彼の視線は一貫して塔の頂上とエルファリアとの約束へ向いています。
そのまっすぐさは魅力ですが、周囲の感情を置き去りにする危うさもあります。
コレットもリアーナも、ウィルの強さだけを見ているわけではありません。傷ついても立ち上がり、誰かを見捨てず、魔法が使えない自分を言い訳にしない姿に心を動かされています。
ウィルがその思いに気づいたとき、彼は何を選ぶのでしょうか。
エルファリアへの思いを変えない可能性は高いでしょう。それでも、仲間たちから向けられた感情を知ることは、彼の人間関係を確実に変えます。
第64話で交わされた恋愛話は軽い笑いとして描かれましたが、秘密が明かされたときには同じ笑い方ができなくなるかもしれません。
ロスティが誰なのかをコレットやリアーナが知れば、これまで同性の友人だと思って話していた相手が、実質的には最大の恋敵だったという状況も生まれます。
その瞬間を想像すると、今回の会話はかなり大胆な伏線です。
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『杖と剣のウィストリア』64話でサミオス陥落が判明|破滅の書との戦闘へ
第64話の後半、学園長の洞察によって、目的地サミオスがすでに破滅の書の手に落ちていると判明します。
ここで物語の空気は完全に変わりました。
ウィルたちはサミオスへ向かっていますが、そこに味方の拠点が残っている保証はありません。安全な場所に到着して状況を確認するのではなく、敵の支配地域へそのまま入り込むことになります。
これは移動ではなく、侵入です。
しかも列車という乗り物は、進路を自由に変えにくい。途中で危険を察知しても、別の道へ逃げることが難しい構造になっています。
線路の先に敵が待っている以上、列車そのものが罠へ誘導する装置にもなり得るのです。
マルゼや首無しがサミオスで待っている
サミオスには、ウィルたちが迷宮で遭遇しかけたマルゼや首無しらがすでにいるとされます。
彼らは破滅の書に属する危険な存在であり、単独で対処できる相手とは限りません。
とくに重要なのは、敵がウィルたちの到着を想定している可能性です。
破滅の書がサミオスを支配した目的が単なる都市の占拠ではなく、ウィルたちを誘い込むことにあるなら、到着地点、退路、住民の安全まで計算された戦場が準備されているかもしれません。
ウィルたちはこれまで、突発的に現れた敵へ対応することが多くありました。
しかしサミオスでは、敵側が先に配置を終えています。戦力だけでなく、情報と地形の両方で不利な状態から始まる可能性が高いでしょう。
サミオス陥落は破滅の書の組織力を示す
破滅の書は、強力な個人が集まっただけの敵組織ではありません。
都市を掌握し、表向きの秩序を崩さずに相手を待ち受けられるとすれば、潜入、情報操作、制圧を同時に進める組織力を持っています。
第64話では、サミオスがどのような方法で陥落したのかまでは詳しく描かれていません。
住民が避難しているのか、捕らえられているのか、敵の支配に気づかず生活しているのかも不明です。
この情報不足が怖いんですよね。
派手な破壊の跡が見えていれば、ウィルたちも警戒できます。しかし外見上は平穏なままなら、誰が敵で誰が味方なのか分からない状態で街へ入ることになります。
剣を振るうべき相手が見えない戦場は、ウィルにとって相性がよくありません。
彼は正面からの戦闘では圧倒的な力を発揮しますが、敵が住民に紛れたり、仲間を人質にしたり、誤情報を流したりすれば、強さをそのまま使えなくなります。
サミオス編では、ウィルの剣だけでは解けない問題が増えると考えられます。
学園長が異変を見抜いた意味
サミオスの異常を察知したのは学園長です。
この場面は、経験を重ねた人物の洞察が若い魔導士たちを危険から救う展開につながる可能性があります。
学園長が異変を見抜かなければ、一行は何も知らないまま都市へ入っていたでしょう。
ただし、気づいた時点で列車がどこまで進んでいるのかは重要です。
事前に作戦を立てる時間が残っているのか。それとも敵地への突入は避けられず、限られた時間で役割を決めなければならないのか。
筆者としては、今回の洞察は危機を回避するためではなく、危機に備えるための猶予を与えたのだと思います。
サミオスへ行かないという選択をするより、敵に奪われた都市を取り戻す方向へ進む可能性が高いからです。
ウィルは危険を知ったからといって、助けを求める人々を見捨てる人物ではありません。
目的地が罠だと分かっても進む。
それが彼の強さであり、敵に利用されやすい弱点でもあります。

『杖と剣のウィストリア』64話考察|なぜこの回が物語の局面を変えたのか
第64話は大規模な戦闘が起きる回ではありません。
それでも「局面を変えた回」と呼べるのは、今後の戦いに必要な人物、感情、目的地、敵の配置が一度にそろったからです。
ここから先は、第64話で示された情報をもとにした筆者の考察です。
ロスティは戦闘支援の切り札になる可能性が高い
ロスティがエルファリアのエージェントとして同行するなら、サミオスでの戦闘において重要な支援役になるでしょう。
ウィルの強みは、魔法を剣へ取り込み、自分の身体能力と組み合わせられることにあります。
エルファリアの力を遠隔地で扱えるロスティが近くにいれば、ウィルは氷の力を用いた戦闘へ移行できるかもしれません。
もちろん、ロスティが通常の魔法をどこまで使えるのか、エルファリアとの接続に距離や時間の制限があるのかは不明です。
もし無制限に力を送れるなら強力すぎるため、サミオスでは何らかの弱点が示される可能性があります。
敵がロスティの正体や仕組みを知っていれば、接続を妨害する作戦も考えられます。
ウィルが「いつでもエルファリアの力を借りられる」と安心した瞬間に、その道が断たれる。物語上は、そのほうがウィル自身の成長を描きやすいでしょう。
ロスティの秘密はサミオスで暴かれるのか
ワークナーがロスティへ疑念を抱き、読者の間でも正体への注目が高まっています。
ただし、第64話の段階では秘密の完全な開示を避けました。
これは引き延ばしというより、正体が明かされたときの影響を最大化する準備に見えます。
ロスティの秘密は、ウィルだけが知れば終わる話ではありません。
コレットは、自分と親しく会話してきた相手がエルファリアの意思を宿していたと知ることになります。リアーナもまた、恋愛話をした相手の正体を受け止めなければなりません。
さらにウィルは、学園で過ごしたロスティとの思い出を「エルファリアとの時間」と考えるのか、それとも「ロスティという一人の友人との時間」と考えるのかを迫られます。
もしサミオスでロスティがウィルを守るために限界を越え、その身体や魔法に異変が起きれば、秘密が隠し切れなくなるでしょう。
正体の告白ではなく、戦闘中の事故によって露見する展開も考えられます。
個人的には、ウィルが秘密を知ったとき、怒るよりも先にロスティ自身を心配する気がします。
彼は出自や魔法の有無で他者の価値を決めません。たとえロスティが人工的に作られた存在でも、一緒に過ごした時間まで偽物だとは考えないでしょう。
しかし、エルファリアが長期間秘密にしていたことには傷つくかもしれません。
信じられていなかったと感じるのか。守るための判断だったと受け入れるのか。その違いが、二人の再会に大きな影を落としそうです。
サミオスでは正面戦闘より救出戦が中心になるか
敵がすでに都市を掌握している以上、単純な討伐戦にはなりにくいでしょう。
都市には住民がおり、建物があり、壊してはいけない生活があります。
ウィルが全力で剣を振るえば敵を倒せても、周囲に被害を出す危険がある。リアーナやコレットたちは、敵の排除だけでなく住民の避難や防衛も担当する必要が出てきます。
ここで迷宮列車の乗員構成が意味を持ちます。
列車内の恋愛話では一時的に競い合っていた人物たちも、戦場では役割を分担しなければなりません。
コレットの魔法は地形の操作や防御に向き、リアーナは高い機動力と戦闘能力を持っています。ロスティが技術面やウィルの強化を担えば、互いの長所を生かした救出作戦が可能です。
恋のライバルとして描かれた三者が、ウィルを中心に最高の連携を見せる。
そうなれば、前半の会話劇は戦闘時の関係性を強調する仕込みになります。
首無しはウィルと似た「剣」の使い手なのか
第64話の時点では、サミオスで待つ敵の能力や狙いは十分に説明されていません。
ただ、破滅の書側にウィルと近い戦闘形式を持つ人物がいるなら、サミオス編は魔法使い対異端者という単純な構図では終わらないでしょう。
ウィルは魔法が使えないために「剣」として戦ってきました。
敵側にも剣を主軸とする存在がいれば、二人の違いは能力ではなく、何のために剣を振るうかという思想に表れます。
守るために前へ出るウィルと、世界の秩序を壊すために刃を使う敵。
同じ武器を持つ者同士が衝突するとき、ウィルの存在意義そのものが試されます。
サミオス陥落は、単に強敵とのバトルを始めるための装置ではありません。
魔法至上主義の世界で剣として生きるウィルが、敵側の剣と向き合い、自分が何者なのかを改めて選ぶ舞台になる可能性があります。
第64話の本当の主題は「そばにいる方法」
第64話には、列車、恋愛、ロスティ、サミオスという複数の要素があります。
一見ばらばらですが、筆者はすべてが「誰かのそばにいる方法」という主題でつながっていると感じました。
エルファリアは塔から出られないため、ロスティという方法でウィルのそばにいようとします。
コレットは学園時代から直接ウィルの隣を歩き、リアーナは共闘を重ねることで距離を縮めてきました。
魔導列車では、仲間たちが同じ目的地へ運ばれています。誰かが魔力を供給しなければ、全員が一緒に進むことはできません。
そしてサミオスでは、敵の支配下に置かれた人々のそばへ行くため、危険を承知で進まなければならない。
そばにいるとは、ただ同じ場所に立つことではありません。
相手へたどり着くために力を使い、秘密を抱え、危険な道を選ぶことでもあります。
第64話の前半で描かれた恋愛感情も、後半で示された救出の可能性も、根にあるのは「離れたくない」という思いです。
だから、この回は軽く見えて重い。
笑いながら走る列車の中で、それぞれが誰の隣に立ちたいのかが静かに示されていました。
『杖と剣のウィストリア』64話ネタバレまとめ
『杖と剣のウィストリア』64話「迷宮列車珍道中」では、ロスティの再登場によって、彼がエルファリアのエージェントである可能性がいっそう高まりました。
ワークナーはロスティの存在に疑念を抱いており、正体が明らかになる時期も近づいていると考えられます。
迷宮列車は魔法使いが直接魔力を供給して動かす仕組みで、男性陣が苦労する一方、女性陣はウィルをめぐる恋愛話を展開しました。
コレットだけでなく、リアーナもウィルを強く意識している様子が表面化しています。さらにロスティの言動には、エルファリアの嫉妬や独占欲が反映されているようにも見えました。
そして最大の転換点は、目的地サミオスがすでに破滅の書の手に落ちていたことです。
マルゼや首無しらが待ち受ける敵地へ列車は進んでおり、次の局面では到着直後から戦闘や救出作戦が始まる可能性があります。
第64話は、派手な決着を描いた回ではありません。
しかし、ロスティという切り札、仲間たちの感情、敵に奪われた目的地が一つの線路上へ並びました。ここから先、誰かの秘密が暴かれ、誰かの思いが試されることになるでしょう。
列車はもう止まりません。
楽しい珍道中の終点で待っているのは、再会なのか、罠なのか、それともウィルが再び「剣」として覚醒する戦場なのか。第64話は、その扉が開く直前を描いた重要回でした。
よくある質問
『杖と剣のウィストリア』64話でロスティの正体は判明した?
ロスティがエルファリアのエージェントとして動いていることは強く示されましたが、正体や誕生の仕組みが完全に説明されたわけではありません。
エルファリアの特殊な分身や器ではないかという考察が有力ですが、第64話時点では推測を含みます。
『杖と剣のウィストリア』64話でリアーナはウィルを好きだと確定した?
リアーナがウィルを強く意識している様子は描かれましたが、本人が明確に恋愛感情を認めたわけではありません。
尊敬や信頼が恋へ変わりつつある段階と見ることもでき、今後の反応が重要になります。
サミオスでは破滅の書との戦闘が始まる?
サミオスが破滅の書に掌握され、マルゼや首無しらが待っているため、戦闘へ発展する可能性は高いでしょう。
ただし住民の状況や敵の目的は不明であり、正面衝突ではなく潜入や救出から始まる可能性もあります。
執筆:相沢 透(あいざわ・とおる)
アニメ・漫画文化専門ライター/構成作家/考察系ブロガー/戦略的SEOマーケッター



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