『手札が多めのビクトリア』2話では、ビクトリアが新天地で住居と仕事を得て、ノンナ、ジェフリーとの「普通の幸せ」を少しずつ育て始めます。
一方で、穏やかな日常の向こう側には工作員クロエとしての過去も迫っていました。第2話「可哀想じゃないのよ」は、ビクトリアの新生活が本格的に始まると同時に、この作品が描こうとしている“人生のやり直し”の意味が見えてくる重要な回です。
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『手札が多めのビクトリア』2話で何が起きた?「可哀想じゃないのよ」の流れ
『手札が多めのビクトリア』第2話のサブタイトルは「可哀想じゃないのよ」。テレ東では2026年7月14日24時から放送され、ニコニコでは7月20日付で配信ページが公開されています。テレ東が示した第2話の中心は、兄エドワードと伯父バーナードの誕生会へ向かったジェフリーが、そこでビクトリアと再会する展開です。テレ東・BSテレ東
第1話で組織から離脱した凄腕工作員クロエは、「ビクトリア・セラーズ」という別人として生き直す道を選びました。そして母親に置き去りにされた少女ノンナと出会い、ジェフリーに身元保証人となってもらいます。
公式の人物紹介でも、ビクトリアは変装、偽造、格闘術などに長けた元工作員である一方、「自らの幸せと向き合うことにも不器用」な人物と説明されています。ノンナとジェフリーとの出会いによって人生を切り開いていくことが、作品全体の軸です。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
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つまり第2話で面白いのは、ビクトリアの「手札」が敵を欺くためではなく、暮らすために使われ始めるところなんですよね。
敵国へ潜入するための語学力、任務を成功させるための観察力、正体を隠すために身につけた料理や家事。その一つひとつが、今度はノンナとの生活を守り、新しい人間関係を築く力へ変化していきます。
これ、かなり大きな意味があります。
ビクトリアは工作員だった過去そのものを消すことはできません。でも、過去に身につけたものを「これから何に使うか」は選べる。
第2話は派手なアクション回ではありませんが、この作品のテーマを理解するうえではむしろ重要な一話だったと私は感じました。
ジェフリーとエドワードの会話から始まる第2話
序盤ではジェフリーと兄エドワードの関係も描かれます。
ジェフリーはアシュベリー王国の王都を警備する第二騎士団長。公式設定では誠実で周囲からの信頼も厚い人物ですが、10年前のある出来事によって心に傷を負い、誰かを愛することから距離を置いていました。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
そんなジェフリーが最近、外国人女性と少女を交えて食事をした。
兄からすれば、そりゃ気になるよね。
エドワードは伯爵家当主でありながら王城の制度維持管理に関わる人物で、弟が女性との縁から遠ざかっていたことも知っています。公式紹介にも、ジェフリーがビクトリアと親しくしていると知り、彼女を気にかける人物だと明記されています。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
ここで描かれる「可哀想」という言葉は、後半のノンナにもつながっています。
ジェフリーもまた、過去の出来事を理由に周囲から「傷ついた人」として扱われ続けてきた人物です。
そしてビクトリアも、工作員として普通ではない人生を送り、ノンナを連れて一人で生きている。
表面的な条件だけ見れば、誰かが二人を「可哀想」と呼ぶことはできるのかもしれません。
でも本人たちは、それだけではない。
第2話は、この“他人が決める幸福”と“本人が感じる幸福”のズレを静かに描いていたように思います。
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『手札が多めのビクトリア』2話の新生活は?ヨラナの離れとバーナードの仕事
第2話でもう一つ大きく進展するのが、ビクトリアとノンナの生活基盤です。
ビクトリアたちは、先代ヘインズ伯爵の未亡人ヨラナ・ヘインズが暮らす屋敷の離れで生活するようになります。公式サイトによると、ヨラナはひったくり事件をきっかけにビクトリアと知り合い、部屋を探していた彼女へ屋敷の離れを貸すことになった人物です。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
第1話ではまだ「逃げた先で生き延びる」という色が強かったビクトリアですが、第2話になると景色が変わります。
帰る場所がある。
ノンナと食事をする場所がある。
そして仕事がある。
追われる元工作員にとって、この「日常の土台」ができることは、武器を一本手に入れる以上に大きいでしょう。
気難しいバーナードがビクトリアを気に入った理由
さらにビクトリアは、高名な歴史学者バーナード・フィッチャーの助手兼ハウスメイドとして働き始めます。
バーナードはジェフリーの伯父。公式設定では非常に気難しく、助手や使用人がなかなか長続きしない人物です。ところが、新しく雇われたビクトリアについては事情がまったく違いました。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
語学ができる。
掃除ができる。
料理ができる。
書類も扱える。
そして気難しい相手にも必要以上に萎縮しない。
第2話では文献の翻訳や書斎の整理、料理までこなすビクトリアの万能ぶりが描かれます。視聴者の間でも、「元工作員として身につけた能力が日常生活に転用されている」という点が印象的だったようです。あにきゃら速報 – アニメ感想・ネットの反応まとめ
ここで私は、単純な「有能主人公無双」と少し違う面白さを感じました。
普通なら万能能力は、敵を倒したり出世したりするために使われます。
でもビクトリアの場合、人生を立て直すために使っている。
昨日まで国家のために覚えた外国語が、今日は歴史学者の資料を読むために役立つ。
潜入任務のために身につけた家事能力が、ノンナに温かい食事を作るために役立つ。
なんというか、スキルの「意味」が塗り替えられていくんです。
工作員時代を肯定するわけでも、完全否定するわけでもない。
「あの時間があったから身についたものまで捨てなくていい」と言われているようで、私はこの作品の優しさを感じました。
バーナードの誕生会でジェフリーと再会
そしてジェフリーは、兄エドワードと一緒に伯父バーナードの誕生会を訪れます。
そこで「最近雇った非常に有能な助手」として紹介されたのが、まさかのビクトリア。
再会、早い。
ただ、この偶然は恋愛展開だけを進めるためのものではありません。
ビクトリアが自分の能力で仕事を得て、周囲から信頼され、その人間関係の延長線上でジェフリーと再会する。ここが重要です。
「騎士団長に助けてもらったから人生が好転した」のではないんですよね。
まずビクトリア自身が動いている。
その結果としてヨラナ、バーナード、ジェフリーとの縁がつながっていく。
私はここがかなり好きです。
ヒロインが誰かに救われるまで待つのではなく、自分で生活を立て直した先に恋愛の可能性が見えてくる。この順番だからこそ、ビクトリアとジェフリーの関係にも対等さが生まれています。

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『手札が多めのビクトリア』2話の注目シーンは3人のピクニック
第2話で最も温かい時間として描かれるのが、ビクトリア、ノンナ、ジェフリーによるピクニックです。
誕生会で再会したジェフリーは、ビクトリアを改めて食事へ誘います。しかしビクトリアは、貴族であるジェフリーとの距離を意識し、一歩引こうとします。
そこでジェフリーは、ノンナも一緒ならどうかと提案します。
三人でピクニック。
恋愛ものとして見ると実にゆっくりした進み方なのですが、そこがいい。
いきなり二人きりのデートへ持ち込むのではなく、現在のビクトリアにとって最優先の存在であるノンナを含めた時間を作ろうとする。ジェフリーという人物の誠実さが表れる部分でもあります。
ノンナの的当てとビクトリアの教育方針
ピクニックでは、ノンナが遊ぶ姿も印象的です。
視聴者の反応では、ノンナが的当てを見事に命中させたり、木登りに挑戦したりする場面が注目されました。またビクトリア自身も、木に引っかかったものを取る際に元工作員らしい身体能力を見せています。kアニ!!
でも、この場面で本当に面白いのは身体能力そのものではありません。
ビクトリアはノンナを、ただ危険から遠ざけて守ろうとはしないんです。
危険を全部排除するのではなく、できることを増やす。
言い換えれば、ノンナ自身の「手札」を増やそうとしています。
公式設定上、ノンナは母親に置き去りにされた経験から、自分の境遇を理解して大人しく振る舞っていた少女です。ビクトリアとの暮らしの中で少しずつ感情豊かになっていく人物として紹介されています。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
だから、元気に遊ぶノンナの姿にはそれだけで意味があります。
第1話では「捨てられないためにいい子でいなければ」とでも言うような危うさをまとっていた子が、自分から遊び、笑い、嫌だったことを嫌だったと言えるようになっている。
これは小さな変化に見えて、とても大きい。
ビクトリアには「普通に楽しむ」という手札がなかった
そしてピクニックは、ノンナだけの成長イベントでもありません。
実はビクトリアもまた、学び直しています。
彼女は工作員です。
外国語もできる。
料理もできる。
戦える。
変装もできる。
人の反応も読める。
なのに、「ただ誰かと遊ぶ」「好意を向けられて戸惑う」「好きな人たちと何でもない時間を過ごす」という経験が決定的に不足している。
ここが『手札が多めのビクトリア』というタイトルの面白いところでしょう。
手札は多い。
でも、全部持っているわけではない。
生き残るためのカードは山ほどあるのに、幸せになるためのカードが少ないんです。
ネット上でも、ピクニックや恋愛が工作員時代には任務の一部でしかなかったビクトリアにとって、ノンナやジェフリーと過ごす「本物の時間」こそ新しい経験なのではないか、という受け止め方が見られました。kアニ!!
この構造、うまいなと思いました。
タイトルだけ見ると「何でもできる有能ヒロイン」の物語に見える。
実際、かなり何でもできます。
でも本当に描きたいのは、「できないこと」の方なのかもしれません。
人を信じる。
何も疑わず楽しむ。
愛されることを受け入れる。
自分の幸せを優先する。
その手札を、ビクトリアはこれから一枚ずつ増やしていくのでしょう。
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「可哀想じゃないのよ」の意味は?ノンナとビクトリアの関係が深まる
第2話のサブタイトルになっている「可哀想じゃないのよ」。
この言葉の意味が見えてくるのが、ノンナとビクトリアの会話です。
ノンナは、大人たちの会話を想像以上によく聞いています。
そして心の中に残っていたのが、ビクトリアを「可哀想」だと見る言葉でした。
ノンナが嫌だったのは、自分が可哀想だと言われることではない。
ビクトリアが可哀想だと言われたことでした。
第2話を見た視聴者からも、「ビクトリアが可哀想と言われたのが嫌だった」というノンナの感情に注目する声が出ています。ビクトリアの欠けた部分を最初に埋め始めたのは、恋愛相手となり得るジェフリー以上にノンナではないか、という考察もありました。note(ノート)
ここ、すごく好きなんです。
ノンナは「保護される少女」からビクトリアを思う存在へ
第1話の構図だけなら、ビクトリアがノンナを救ったように見えます。
行き場のない少女を保護し、一緒に暮らすことを選んだ。
もちろん、それは事実です。
でも第2話になると関係が反転し始めます。
ノンナもまた、ビクトリアを救っている。
ビクトリアが何を感じているのか。
幸せなのか。
寂しくないのか。
大人が本人の気持ちを置き去りにして「かわいそう」と評価するとき、ノンナだけはビクトリア本人を見ているんですよね。
だからビクトリアは、自分はノンナと暮らすことを楽しんでいる、可哀想ではないという意味の言葉を返します。第2話をまとめた複数の反応でも、このやり取りは二人の信頼関係を象徴する場面として注目されています。あにきゃら速報 – アニメ感想・ネットの反応まとめ+1
ビクトリアがノンナへ「あなたがいるから私は不幸ではない」と伝える。
同時にノンナも、「私はあなたを不幸にしている存在ではない」と確認できる。
ものすごく静かな会話ですが、二人にとっては重要な確認だったのではないでしょうか。
「可哀想」はビクトリアにもジェフリーにも似合わない
さらに面白いのは、第2話の前半でジェフリーにも「可哀想」という視線が関係していることです。
過去に傷があるから可哀想。
一人だから可哀想。
子どもを引き取って苦労しているから可哀想。
結婚していないから可哀想。
そうやって外側の人間が幸福の条件を決めてしまう。
でも『手札が多めのビクトリア』は、それを少しずつひっくり返していきます。
何を持っているかより、本人がどう感じているか。
どんな過去だったかより、これから誰と何を選ぶか。
だから私は「可哀想じゃないのよ」というタイトルを、ノンナへの返答だけではなく、ビクトリア自身がこれから獲得していく人生観の宣言として受け取りました。
「私の人生を、勝手に不幸だったことにしないで」。
そこまで聞こえてくる。
元工作員が追っ手と戦う物語より先に、こういう心の問題を置くところが本作らしいです。

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『手札が多めのビクトリア』2話ラストは不穏?ジェフリーとの夜会とクロエの過去
もちろん、第2話は穏やかな新生活だけでは終わりません。
ジェフリーはビクトリアへ、王家が主催する夜会でパートナーを務めてほしいと頼みます。
公式の第3話あらすじでは、この依頼を受けたビクトリアがドレスアップし、ジェフリーとともに王家主催の夜会へ参加する展開が明らかになっています。ジェフリーが女性を伴って夜会へ現れるのは10年ぶりで、周囲から大きな注目を浴びることになります。TELASA
つまり第2話の後半は、次の物語へきれいに橋を架けているんですね。
ジェフリーにとっては、ビクトリアとの距離を一歩縮める出来事。
ビクトリアにとっては、工作員ではなく一人の女性として社交の場へ出る経験。
そして視聴者にとっては、「このまま幸せになってくれればいいのに」と思ったところに別の影が忍び寄ってくる。
元上司ランコムがビクトリアの生存を疑い始める
その影が、ランコムです。
公式設定によればランコムはハグル王国特務部隊のリーダーで、幼いビクトリアを家族から引き離し、工作員「クロエ」として育てた人物。ビクトリアにとって上司であり、兄のように慕っていた存在でもあります。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
第2話の終盤では、そんなランコム側にも動きが見えます。
ビクトリア――正確にはクロエが本当に死んだのか。
その疑念が芽生え始めている。
エピソードの詳細を追った複数の反応でも、Cパートでランコムがクロエの生存を疑い始めることが、第2話の不穏な引きとして受け止められています。あにきゃら速報 – アニメ感想・ネットの反応まとめ+1
これはかなり厄介です。
ビクトリアは現在、驚くほど順調に新しい生活を築いています。
ヨラナに気に入られた。
バーナードに能力を評価された。
ノンナは笑うようになった。
ジェフリーとも再会した。
だからこそ怖い。
幸福が具体的になればなるほど、それを失う恐怖も具体的になるからです。
ビクトリアの「有能さ」が逆に危険になる可能性
ここで筆者として気になるのが、ビクトリアの能力の高さそのものです。
彼女は目立ちたくないはずなのに、何でもできすぎる。
外国語を扱える。
料理も完璧。
身のこなしも普通ではない。
難しい人物の要求にも対応できる。
隠れて暮らしたい元工作員としては、ちょっと優秀すぎるんですよね。
視聴者からも「有能さが目立ちすぎて追っ手につながるのでは」と心配する声や、反対に「万能すぎて展開がうまく進みすぎる」と感じる声が確認できます。kアニ!!
これは今後、作品の弱点にも強みにもなり得る部分でしょう。
何でもできる主人公が、能力だけで問題を解決し続ければ緊張感は薄くなる。
しかし「能力では解決できない問題」を中心に置くなら話は変わります。
ジェフリーを信じられるか。
ノンナへ過去を話せるか。
ランコムと再会したとき何を選ぶか。
新しく得た日常を、自分には受け取る資格があると思えるか。
これらは格闘術でも変装でも解決できません。
だから私は、本作にとって最も重要なのは「ビクトリアの手札の多さ」ではなく、手札ではどうにもできない感情が現れたとき彼女がどうするかだと考えています。
『手札が多めのビクトリア』2話の評価と考察|本当のテーマは「幸せになる技術」
『手札が多めのビクトリア』2話への反応を見ると、ノンナの表情が豊かになっていく点や、三人でのピクニック、ビクトリアとノンナの親子に近い関係を好意的に受け止める声が目立ちます。
一方で、ビクトリアがあまりに万能で「展開がうまくいきすぎる」と感じる意見や、物語の起伏がまだ小さいという評価も出ています。kアニ!!
この両方、わかるんですよね。
2話時点では、ビクトリアが新生活で失敗する場面は少ない。
住居も見つかる。
仕事もできる。
雇い主にも好かれる。
ジェフリーとの再会も起きる。
普通の物語なら、もう少し障害を置きたくなるところでしょう。
でも私は、この“順調すぎる序盤”には意味があると考えています。
ビクトリアは生活能力ではなく「幸福を受け取る力」が足りない
ビクトリアには、生きる能力が不足していません。
むしろ過剰なくらいです。
だから彼女に新しい料理技術や戦闘能力を覚えさせても、キャラクターとして大きな成長にはならない。
必要なのは感情の側です。
人に頼る。
遊ぶ。
喜ぶ。
好意を受け取る。
自分のために時間を使う。
ノンナから心配されることを受け入れる。
ここにこそ、ビクトリアが持っていなかった手札があります。
作品公式は『手札が多めのビクトリア』を「幸せな人生修復物語」と位置づけています。TVアニメ「手札が多めのビクトリア」公式サイト
「人生逆転」ではなく「人生修復」。
私は、この表現がかなり重要だと思っています。
壊れた過去をなかったことにするのではない。
使える部分は残す。
痛かった部分は少しずつ癒やす。
足りなかったものは新しく増やす。
まさに修復です。
ノンナは「守る対象」ではなくビクトリアの人生を変える存在
そして、その修復を最初に始めているのがノンナでしょう。
ビクトリアはノンナを守っています。
でも同時に、ノンナがいることで初めて経験できることが次々に生まれている。
子どもと暮らす。
誰かの成長を喜ぶ。
自分を必要としてくれる人のために帰宅する。
休日に遊ぶ。
寝る前に話をする。
それまで工作員クロエにとって、生活は任務と任務の間に存在する空白だったのかもしれません。
しかしビクトリアになってからは、その空白だった部分が人生の中心になっていく。
これがすごくいい。
「強い女性が少女を救った話」だけなら分かりやすい。
でも実際には、少女と暮らし始めたことで強い女性のほうが救われていく。
ノンナはサブキャラクターではなく、ビクトリアの価値観そのものを書き換えていく人物です。
ジェフリーとの恋愛も「救済」ではなく並走になりそう
ジェフリーとの関係にも同じことが言えます。
ジェフリーが王子様のように現れて、かわいそうなビクトリアを救ってくれる構造ではない。
ビクトリアは一人でも生活できます。
むしろ生活能力だけなら困らないでしょう。
だからジェフリーに求められる役割は、「生きるために必要な人」になることではありません。
「一緒にいると人生が少し楽しい人」になることです。
この違いは大きい。
依存ではなく選択になるからです。
ピクニックで三人が過ごした時間も、その予告のように見えました。
ビクトリアはジェフリーがいなければ生きられないわけではない。
ノンナも、すぐにジェフリーを父親として必要としているわけではない。
それでも三人で過ごすと楽しい。
家族になる物語として、私はこのスタートの切り方をかなり好意的に見ています。
原作で確かめたくなるのはビクトリアの「言葉になる前」の感情
そして『手札が多めのビクトリア』で個人的に気になるのは、ビクトリアが自分でも整理できていない感情です。
彼女は他人の表情や意図を読む訓練を受けている。
なのに自分の感情になると、急に答えが出なくなる。
このアンバランスさが面白い。
アニメでは表情、間、声色で伝わる魅力がありますが、原作小説ではビクトリアが何を観察し、何を考え、どこまで自分の本音に気づいているのかという内面をさらに細かく追えるはずです。
とくにピクニックのような何も起きていない時間ほど、彼女にとっては大事件なのではないか。
工作員なら危険に対処できる。
でも、「楽しい」と思ってしまった自分にはどう対処すればいい?
この問いを追い始めると、単なる万能主人公ものとはかなり違って見えてきます。
ここからビクトリアが増やしていく「新しい手札」は、変装術でも武器でもないのでしょう。
人を好きになること。
誰かに弱みを見せること。
守ってもらうこと。
帰る場所を持つこと。
そして、自分自身を幸せにしてもいいと思うこと。
第2話は、その最初の一枚を引いた回だったのかもしれません。
まとめ|『手札が多めのビクトリア』2話は新生活と「本当の幸せ」が始まる回
『手札が多めのビクトリア』2話「可哀想じゃないのよ」では、ビクトリアとノンナがヨラナの屋敷の離れで暮らし始め、ビクトリアは歴史学者バーナードのもとで能力を発揮して新しい生活基盤を築きます。
バーナードの誕生会ではジェフリーと再会。その後、ノンナを交えた三人でピクニックを楽しみ、工作員時代には得られなかった「普通に楽しい時間」をビクトリアが経験していきます。
とくに重要なのは、ノンナが「ビクトリアを可哀想と言われたこと」に傷ついていたことです。
ビクトリアはノンナと暮らすことを負担とは感じていない。
むしろ、そこに幸せを見つけ始めている。
だから「可哀想じゃないのよ」という言葉は、ノンナを安心させるだけではなく、ビクトリア自身の人生を肯定する言葉にも聞こえます。
一方、ジェフリーからは王家主催の夜会への同行を頼まれ、工作員クロエの過去を知るランコム側にも不穏な動きが見え始めました。
住居、仕事、ノンナ、ジェフリー。
ビクトリアがやっと手に入れた穏やかな日々が具体的になったからこそ、この先それを守れるのかが気になります。
「何でもできる人」が主人公なのに、本当に必要なものほど技術では手に入らない。
私はそこに『手札が多めのビクトリア』の面白さがあると思っています。
第2話は事件そのものが大きく動く回ではありません。
でも、ビクトリアがクロエではなく「ビクトリアとして生きる」とはどういうことなのか。その答えが、ノンナの笑顔や三人のピクニックといった小さな場面から、静かに見え始めた一話でした。
よくある質問
『手札が多めのビクトリア』2話のタイトルは?
第2話のタイトルは「可哀想じゃないのよ」です。テレ東では2026年7月14日24時から放送され、ニコニコの配信ページでは2026年7月20日付の動画として掲載されています。テレ東・BSテレ東
『手札が多めのビクトリア』2話でジェフリーとビクトリアは再会する?
再会します。ジェフリーが兄エドワードと伯父バーナードの誕生会へ出席すると、バーナードが雇った有能な助手がビクトリアだった、という形で再び顔を合わせます。Apple TV+1
その後はノンナを交えた三人でのピクニックへつながり、ジェフリーとビクトリアの関係も少しずつ進みます。
「可哀想じゃないのよ」は誰に関係する言葉?
中心にあるのはビクトリアとノンナの関係です。
ノンナはビクトリアが「可哀想」と見られたことを嫌がり、それに対してビクトリアはノンナとの暮らしを楽しんでいることを伝えます。二人が単なる「保護した大人と保護された子ども」ではなく、互いの心を支える存在になり始めたことを象徴する場面です。note(ノート)+1
相沢 透(あいざわ・とおる)



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