『アオアシ』7・8・13・15・18・19・20・30巻は、アシトの転向、覚醒、挫折、そしてプロへの接近を追える重要巻です。
「あの展開は何巻だったか」「船橋学院戦はどこからか」「30巻では何が描かれるのか」と探している人向けに、各巻の内容と物語上の位置づけをまとめます。
『アオアシ』7・8・13・15・18・19・20・30巻はどんな内容?
今回取り上げる8冊は、ばらばらに見えて、実はアシトの成長をかなり明確な一本の線として追える巻です。
大きく分けると、7・8巻がサイドバックとしての再出発、13・15巻がAチームとプレミアリーグへの挑戦、18〜20巻が船橋学院戦での挫折、30巻がトップチームという次の世界への接近を描いています。
巻 発売日 主な内容 物語上のポイント
7巻 2016年10月28日 サイドバック転向を告げられる アシトの進路が根本から変わる
8巻 2017年1月30日 「首振り」の習得に挑む サイドバックとしての覚醒が始まる
13巻 2018年5月30日 Aチーム昇格後、プレミアリーグでベンチ入り より高いレベルへの入口
15巻 2018年11月30日 主力不在を機に再び出場機会を狙う 停滞から「シンカ」へ
18巻 2019年10月30日 船橋学院戦が開幕 攻守コンプリートへの挑戦
19巻 2020年1月30日 船橋学院戦後半へ アシトのリミッターが外れる
20巻 2020年4月27日 レッドカード退場と、その後の再生 大きな挫折と価値観の転換
30巻 2022年11月10日 トップチーム練習参加の最終日 プロの世界が現実的な距離に近づく
参考資料上では、いずれも小学館から刊行されたB6判のコミックスで、定価は770円(税込)と記載されています。価格などの販売情報は変わる可能性があるため、購入時は最新情報の確認が必要です。
こうして並べると面白いのは、単純に「アシトが強くなっていく順番」ではないことです。
むしろ『アオアシ』は、一度手に入れた自信を何度も壊し、そのたびに“サッカーを見る位置”そのものを更新していく物語として進んでいます。
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『アオアシ』7巻・8巻の内容は?サイドバック転向から覚醒へ
アオアシ7巻|福田監督から突然告げられたサイドバック転向
『アオアシ』7巻は2016年10月28日発売、224ページ。ISBNは9784091878977です。
Aチーム昇格が懸かった試合で活躍した青井葦人。しかし、その直後に福田達也監督から告げられたのは、本人が望んでいたフォワードとしての未来ではありませんでした。
サイドバックへの転向です。
アシトは「世界一のフォワードになる」という強烈な目標を持って東京シティ・エスペリオンにやって来ました。
だからこそ、福田の決定を簡単に受け入れられるはずがありません。
ここは『アオアシ』という物語そのものの向きが変わるほど大きなターニングポイントです。
普通のスポーツ漫画なら、「得意な武器をさらに磨き、夢のポジションで上へ行く」という展開になっても不思議ではありません。
ところが本作は、主人公自身が信じていた「自分は何者なのか」という前提から壊してしまう。ここが恐ろしい。
アオアシ8巻|栗林の「首振り」が新しい武器の入口になる
8巻は2017年1月30日発売、216ページ。ISBNは9784091893376です。
サイドバックへ転向したアシトは、最初の公式戦でスタメンから外れます。
そこで彼が目を向けたのが、すでにプロデビューを果たしている先輩・栗林晴久が試合中に頻繁に行っている「首振り」でした。
試合に出られない時間をただ悔しがるのではなく、栗林の動きを観察し、自分でも身につけようと練習を始める。
その過程でアシトは、「何かすごいものをつかみかけている」という感覚に近づいていきます。

ネットでは7巻のサイドバック転向そのものが最大の転機として語られがちですが、僕は本当に重要なのは8巻だと思っています。
なぜなら、7巻で変わったのは「ポジション」ですが、8巻で変わり始めるのはアシトの世界の見方だからです。
アシトはもともと広い視野を持っています。しかし、持っている能力と、それをサッカーの中で意図的に使えることは別物です。
栗林の首振りという、ごく小さな反復動作。
この細部を入り口にして、「目の前のボールを見る選手」から「ピッチ全体の未来を読む選手」へ変わり始める。
これ、単なる新技習得のエピソードではないんですよね。
7巻でFWという夢を奪われたように見えたアシトが、8巻ではむしろFW時代には見えていなかった巨大な可能性を手にし始める。
夢を否定された瞬間が、才能の正体に近づく始点だった。
そう考えると、この2冊のつながりはかなり美しいです。
『アオアシ』13巻・15巻の内容は?Aチームとプレミアリーグへの挑戦
アオアシ13巻|Aチーム昇格後、プレミアリーグでベンチ入り
13巻は2018年5月30日発売、192ページ。ISBNは9784091898784です。
アシトはついにAチームへ昇格します。
そこで待っていたのは、それまでとは明らかに異なるレベルのサッカーでした。
しかもAチームは、評価次第でトップチームとの契約につながる場所でもあります。
つまり、この段階からアシトが見ている景色は「ユースで活躍したい」ではなく、プロサッカー選手になるための競争へ変わっているわけです。
そして13巻では、Aチームが戦うプレミアリーグの次節で、アシトのベンチ入りが決まります。
高校生年代の日本最高レベルに位置づけられるリーグへ、本格的に足を踏み入れていく局面です。
ここで重要なのは、Aチーム昇格がゴールとして描かれていないこと。
ようやく登ったと思った瞬間、その上にさらに巨大な壁が現れる。この構造を『アオアシ』は何度も繰り返します。
アオアシ15巻|2か月の停滞後、主力不在で再びチャンスが巡る
15巻は2018年11月30日発売、192ページ。ISBNは9784098601332です。
冨樫慶司の発案で1年生たちは「夜練」に取り組み、福田監督のサポートも受けながら、先輩たちに成長を示します。
しかし、そこから2か月。
アシトは2度目のプレミアリーグ出場を果たせずにいました。
そんな中、U-18日本代表の遠征によって主力選手が一時的にチームを離れることになり、アシトたちにも再びチャンスが巡ってきます。
13巻から15巻までを見ると、『アオアシ』が「努力すればすぐ結果が出る」という気持ちのいい一直線の成長物語ではないことがよく分かります。
努力した。
成長もした。
それでも試合には出られない。
この時間があるからこそ、15巻で提示される「シンカ」という言葉が効いてきます。
僕はここに、ユースを題材にした『アオアシ』らしさが濃く出ていると感じます。
成長とは「昨日の自分よりうまくなった」という個人の物差しだけでは測れません。周囲も同時に成長し、代表選手もいて、ポジション争いもある。
つまり、成長していても序列が上がるとは限らない。
この冷たさを逃げずに描くからこそ、アシトがつかむ一度の出場機会に異様な重みが生まれるのです。
『アオアシ』18巻・19巻・20巻の内容は?船橋学院戦で何が起きる?
アオアシ18巻|船橋学院との「分岐点」となる試合が開幕
18巻は2019年10月30日発売、192ページ。ISBNは9784098604043です。
舞台はプレミアリーグ。エスペリオンは、首位を争う強豪・船橋学院と対戦します。
エスペリオン側にはもう一つの事情がありました。
引退を宣言した平に、もう一度サッカーと向き合ってもらいたい。そのためにも平を試合へ出せる状況をつくろうと、選手たちは点差を広げることを意識します。
一方のアシトには、別の大きな目標があります。
「攻守コンプリート」の達成です。
サイドバックとして攻撃だけでも、守備だけでもない。両方を高い水準で成立させる選手へ進もうとしているわけです。
しかし相手には、超高校級FWがいます。
18巻は、アシトの成長を証明する舞台になるはずだった試合が、逆に彼の現在地を容赦なく暴き始める入口です。
アオアシ19巻|福田監督があえて止めなかったアシト
19巻は2020年1月30日発売、192ページ。ISBNは9784098604654です。
船橋学院戦の前半、エスペリオンは「5レーン」を用いた攻撃で先制します。
しかし前半終了間際、船橋学院の強烈なカウンターを目の当たりにし、試合の空気が変わります。
そして福田監督は、「攻守コンプリート」を強く意識するアシトについて、少し力が入りすぎている状態だと見ています。
それでも福田は、あえて修正を入れません。
リミッターが外れたアシトがどこまで行くのか。それを見ようとしたからです。
この判断、かなり怖いんですよ。
指導者なら、選手が暴走しかけていると感じた時点で修正する選択肢もあるはずです。
それでも福田は止めない。
つまり19巻の後半戦には、「勝敗」だけではなく、アシトという選手の限界点そのものを確認する実験のような意味まで重なっています。
アオアシ20巻|トリポネへの恐怖、レッドカード、そして再生
20巻は2020年4月27日発売、208ページ。ISBNは9784098605965です。
19巻から続く船橋学院戦で、アシトは相手エース・トリポネの圧倒的なフィジカルを目の当たりにします。
そこで生まれたのは、分析でも対抗心でもありません。
恐怖でした。
混乱したアシトはゴール前でトリポネのシュートを手に当ててしまい、レッドカードで退場します。
エスペリオンは10人。
さらに1点ビハインドで、残り15分という厳しい状況に追い込まれます。
ところが、ここで栗林が強烈な闘争心を見せます。
その姿に突き動かされるようにエスペリオンの選手たちは奮起し、ピッチの外からそれを見ることしかできないアシトも大きな衝撃を受けます。

表面的には、20巻は「アシトが大失敗した巻」です。
ですが、僕はそれだけで片づけると、この船橋学院戦の本当の意味を取り逃がすと思っています。
ここで注目したいのは、失敗の原因が単純な技術不足ではないことです。
アシトは「攻守コンプリート」を強く意識していました。そして福田も、その意識が強すぎると認識していた。
そこへ、自分の理解や経験では処理しきれないトリポネという存在が現れます。
つまりアシトは、能力が足りなかっただけではなく、自分が思い描いた“成長した自分”に現実を無理やり合わせようとして破綻したのではないでしょうか。
これが僕の見方です。
19巻の福田の「止めない」という判断と、20巻の退場を一本につなげると、福田は成功を確認したかっただけではなく、アシト自身がまだ理解していない限界を、一度本人に踏ませる必要があると考えていたようにも見えてきます。
もちろん、これは作中で明言された事実ではなく僕の解釈です。
でも、もしそうなら怖い。
福田は「失敗させない指導者」ではなく、選手が次へ進むために必要な失敗なら、その瞬間まで見届ける指導者として描かれていることになります。
そしてアシトは退場し、自分がいないピッチで栗林と仲間たちが戦う姿を見る。
ここが重要です。
自分が中心になって試合を動かしたかった少年が、強制的に「外からサッカーを見る側」に置かれる。
8巻では首を振ることでピッチ全体を見る技術を学びました。
20巻では退場によって、今度は自分自身さえピッチの一部として客観視することを突きつけられているのではないか。
視野の成長が、ついに精神の成長へ接続する。
そう考えると、7巻から20巻まで張られていた一本の線が突然見えてくるんです。
いや、こういうところが『アオアシ』は本当に怖い。
『アオアシ』30巻の内容は?トップチーム練習参加と司馬の決断
『アオアシ』30巻は2022年11月10日発売、192ページ。ISBNは9784098614684です。
物語は、アシトが参加しているトップチームの3日間の練習、その最終日を迎えます。
すでに2日間が終了。
アシトは40歳の大ベテラン・司馬のプレーから大きな衝撃を受けながらも、トップチームの中に自分の存在を残そうと必死に食らいついています。
最終日は、与えられた課題をクリアするための勝負の日です。
一方、司馬には別の節目が迫っています。
彼は、この日をもって現役を退こうとしていました。
つまり30巻では、プロになろうとしている少年と、プロとしての時間を終えようとしているベテランが同じピッチに立つ構図になります。
参考資料では、この30巻発売時点で単行本累計1500万部を突破していたことも紹介されています。
7巻のアシトは、フォワードという自分の夢を否定されたことに激しく反発していました。
それが30巻では、トップチームの選手から何かを吸収するため、自分のすべてを使って課題へ挑んでいる。
この距離を考えるだけでも、アシトがどれだけ変わったのか分かります。
そして僕が30巻で特に面白いと思うのは、対比される相手が若い天才ではなく、40歳の司馬だという点です。
普通ならトップ昇格編の象徴には、圧倒的な若手スターや日本代表級の選手を置きたくなる。
しかし『アオアシ』は、キャリアの終着点に立つベテランをアシトの前に置きます。
単なる「プロはすごい」という話ではない。
プロになるとは何なのか。
プロとして長く生きるとは何なのか。
そして、その時間を終えるとはどういうことなのか。
アシトがプロの入口へ近づくタイミングで、「出口」にいる司馬を見せる。この配置にはかなり強い意味を感じます。
7巻から30巻までをつなぐと見える『アオアシ』の成長構造
ネットでは『アオアシ』の成長について、「視野が広い」「サイドバック転向で才能が開花した」と説明されることが多いと思います。
もちろん、それ自体は間違っていません。
ただ僕は、7・8・13・15・18・19・20・30巻を並べると、もう一段違う構造が見えてくると考えています。
それは、アシトの成長が毎回「自分が信じていた正解を壊されること」から始まっているということです。
7巻では「自分はFWになる」という正解を壊されます。
8巻では、自分の持っていた視野が、意識的に情報を集めなければ武器にならないと気づいていきます。
13巻ではAチームへ上がっても、その先にさらに高い基準があると知らされます。
15巻では成長しても試合に出られない現実と向き合います。
18〜20巻では「攻守コンプリートを達成する」という強い意志さえ、制御できなければ自分を追い詰めることを経験します。
そして30巻では、ようやくトップチームへ近づいたところで、今度はキャリアを終えようとする司馬と出会います。
ここまで来ると、「上手くなる物語」という説明だけでは足りません。
『アオアシ』が描いているのは、自分の中にあるサッカー観を何度でも作り直せる人間だけが、次のレベルへ行けるという成長なのではないでしょうか。
特に僕が気になるのは、8巻と20巻と30巻のつながりです。
8巻では栗林を観察することで新しい視野を獲得する。
20巻では、自分が退場したことで栗林と仲間たちを外側から見る。
30巻では司馬という、自分とはキャリアの時間軸まで異なる選手を見る。
アシトはずっと「見る」ことで成長しているんです。
ただし、その「見る」の意味だけが変化している。
最初は周囲の選手の位置を見る。
次はチーム全体を見る。
やがて、自分自身の未熟さを見る。
さらに先では、一人のプロが積み重ねてきた時間まで見る。
これ、単に特殊な視野能力を持った主人公だから「見る」という描写が多いだけでしょうか。
僕にはそうは思えません。
アシトの最大の才能とは、広い視野そのものよりも、見えてしまった現実から逃げず、自分の考えを書き換えられることなのではないか。
だとしたら、7巻でFWへの執着を壊した福田の判断から、30巻で司馬と向き合うところまで、物語の根っこはずっと同じです。
「お前は、今までの自分を捨てても次の景色を見たいか」。
『アオアシ』は何度も違う形で、アシトにそれを問い続けているように感じます。
まとめ|『アオアシ』の重要巻はアシトの転機を順番に追える
『アオアシ』7・8・13・15・18・19・20・30巻は、アシトのキャリアにおける大きな転換点を確認しやすい巻です。
7巻では福田監督からサイドバック転向を告げられ、8巻では栗林を手本に「首振り」を学びながら新たな可能性をつかみ始めます。
13巻ではAチームとプレミアリーグへ進み、15巻では出場できない停滞を経ながら次のチャンスを迎えます。
18〜20巻の船橋学院戦では、「攻守コンプリート」を目指したアシトがトリポネを前に崩れ、レッドカード退場という大きな挫折を経験します。
そして30巻では、トップチーム練習参加の最終日を迎え、現役引退を考える40歳の司馬と交差します。
この8冊を順番に見ると、アシトの成長は単純な能力上昇ではありません。
夢を壊され、視野を広げ、上のレベルを知り、失敗し、それでもまた自分のサッカー観を組み直していく。
その積み重ねこそが、『アオアシ』を長い成長物語として成立させている最大の魅力なのだと思います。
よくある質問
『アオアシ』でアシトがサイドバックへ転向するのは何巻?
7巻です。
Aチーム昇格が懸かった試合で活躍した後、福田監督からサイドバックへの転向を告げられます。続く8巻では、新しいポジションで生きるために「首振り」を身につけようとする姿が描かれます。
『アオアシ』の船橋学院戦は何巻?
今回の参考範囲では、18巻から20巻にかけて船橋学院との重要な試合が描かれています。
18巻で試合が始まり、19巻で後半へ突入。20巻ではトリポネを前にしたアシトがレッドカードで退場し、大きな挫折を経験します。
『アオアシ』30巻は何の話?
30巻は、アシトのトップチーム練習参加編がクライマックスを迎える巻です。
3日間の練習参加の最終日にアシトが課題達成へ挑み、同時に現役引退を考えている40歳のベテラン・司馬の決断も大きな焦点になります。
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