『鎧真伝サムライトルーパー』の主題歌は、第1・第2クールでOP/EDあわせて4曲が起用されています。
その中でも、第2クールOPのDannie May「BAD遺伝子」は、“盛大な親子喧嘩”をテーマにした異色の一曲です。単なる熱血ソングではなく、旧作から新作へ何かを受け継ぐ『サムライトルーパー』だからこそ、妙に引っかかるタイトルなんですよね。
鎧真伝サムライトルーパーの主題歌は?第1・第2クールを一覧で整理
『鎧真伝サムライトルーパー』は2026年1月6日から分割2クールで放送・配信され、第1クールと第2クールでOP・EDが入れ替わっています。第2クールは2026年7月7日からスタートしました。
主題歌を整理すると、以下の4曲です。
区分 楽曲 アーティスト
第1クールOP 「YOAKE」 blank paper
第1クールED 「POWER」 ONE OR EIGHT
第2クールOP 「BAD遺伝子」 Dannie May
第2クールED 「ばけもん」 カラノア
第1クールのOP「YOAKE」とED「POWER」は、2025年12月2日の本PV公開時に発表されました。第2クールではOPがDannie May「BAD遺伝子」、EDがカラノア「ばけもん」へ交代しています。
つまり、「BAD遺伝子」は『鎧真伝サムライトルーパー』全体で唯一のOPではなく、第2クールのオープニング主題歌です。
ここはかなり大事です。
第1クールの「YOAKE」から第2クールの「BAD遺伝子」へ。このタイトルの変化だけでも、「夜明け」から始まった新世代の物語が、やがて自分たちの内側にある“受け継いだもの”へ踏み込んでいくように見えてきます。
もちろん、この二つの題名が意図的に連続した物語を構成しているとまでは断定できません。
ただ、作品のフェーズが変わったタイミングで、ここまで手触りの違う言葉がOPに置かれた。その変化には、耳をそばだてたくなります。
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第2クールOP「BAD遺伝子」とは?Dannie Mayの楽曲情報
第2クールのオープニング主題歌「BAD遺伝子」を担当するのは、3ボーカルバンドのDannie Mayです。
公式に発表されている楽曲クレジットは次の通りです。
- 楽曲名:「BAD遺伝子」
- アーティスト:Dannie May
- 作詞・作曲:マサ
- 編曲:田中タリラ
- レーベル:SKID ZERO
- デジタルリリース:2026年7月8日
第2クール開始が7月7日、その翌日となる7月8日0時から「BAD遺伝子」とED「ばけもん」がデジタルリリースされました。
「BAD」と「遺伝子」。
ものすごく乱暴に言えば、逃げようとしても身体の奥に残っているものへ「悪い」とラベルを貼ったような題名です。
でも、それを本当に嫌悪だけで説明していいのか。
ここから、この曲の面白さが始まります。
Dannie Mayはどんなバンド?
Dannie Mayは2019年に結成された3人組です。
Vo.Gt.のマサ、Vo.key.の田中タリラ、Vo.兼クリエイターのYunoで構成され、3人それぞれの歌い分けやコーラスを軸に、ジャンルを限定せずさまざまな音楽性を取り込んできました。
作詞・作曲だけでなく、アレンジやコンセプト作りまでメンバーが役割を分担するのも特徴です。
さらに「Dannie May」という名前自体、外国人男性をイメージした「Dannie」と日本人女性をイメージした「May」を組み合わせた、架空の人物を表す造語だと説明されています。
違う声。
違う役割。
違う音楽性。
それらを混ぜて一つの存在を作るバンドが、“自分の中に最初から混ざっているもの”を連想させる「遺伝子」という言葉を歌う。
この組み合わせ、なかなか面白いんです。

「BAD遺伝子」のテーマはなぜ親子喧嘩なのか?
Dannie May側から明かされている制作テーマは、かなり具体的です。
楽曲制作では“盛大な親子喧嘩”という方向性が提示され、そこから思春期特有の激しい苛立ちや葛藤を曲へ落とし込んだと説明されています。
さらに重要なのが、その感情を単なる怒りで終わらせていないことです。
公式コメントでは、攻撃性の中にわずかな愛情と甘えも込めたことが語られています。
ここなんですよね。
親子喧嘩を描くなら、怒りだけでも曲は成立します。
それなのに、わざわざ「愛情」と「甘え」を残している。
本当に相手との関係を切りたいのであれば、極端な話、喧嘩すら必要ありません。期待することをやめて、距離を取ればいい。
それでもぶつかる。
それはまだ、「分かってほしい」が死んでいないからではないでしょうか。
近いから苦しい。
自分を作った存在だからこそ、その影響から逃げたくなる。
でも、完全に消してしまえば自分自身まで削れてしまう。
そう考えると、「BAD遺伝子」という題名は単なる反抗期の悪態ではなく、切り離したいのに切り離せないものへの苛立ちとして聞こえてきます。
第2クールの物語と「BAD遺伝子」はどう重なる?
『鎧真伝サムライトルーパー』第2クールは、妖邪帝王・羅真我を倒し、東京を救った戦いから3か月後を描きます。
人間界に平和が戻る一方、新たに「天導界」が脅威として現れ、ヤシマノサグメやその配下の四獣士が動き始めます。人間界・妖邪界・天導界という複数の勢力の思惑が交錯する、新たな局面です。
つまり第2クールは、単純に「前より強い敵が来た」というだけではありません。
すでに一度大きな戦いを終えたサムライトルーパーたちが、過去の結果を背負ったまま、別の価値観を持つ存在と向き合う物語へ移っています。
そんな局面で鳴るのが「BAD遺伝子」です。
しかも、実際の第2クールOP映像が面白い。
公式はこのOPについて、学園祭を思わせるカラフルでポップな雰囲気と紹介しており、キャラクターたちはスーツや法被などさまざまな衣装をまとい、ステージを準備したり、バンドをしたりします。
さらに、物語本編では対立する立場にある者たちまで、OPでは同じ空間で楽しげに踊っています。
バトルアニメの第2クールOPです。
新たな脅威も出てくる。
なのに映像は、敵味方の境界線を一瞬だけ溶かしてしまう。
僕は、この落差がかなり好きです。
物語では分断される者たちを、主題歌の約90秒間だけ同じ場所へ集めてしまう。
その上で鳴っている曲のテーマが「親子喧嘩」なのです。
敵だから憎む。
違う世界の者だから戦う。
そんな単純な線引きを、OP映像の側がこっそり疑っているようにも見えてきます。

「BAD遺伝子」は世代継承の歌なのか?OP映像から独自考察
ここからは、公式情報と映像を踏まえた僕自身の考察です。
ネットでは「BAD遺伝子」は親への反発を描いた反抗期ソング、と捉えられがちかもしれません。
でも、僕はそれだけでは少し足りないと思っています。
むしろ描かれているのは、受け継いだものを否定しながら、それでも自分の一部として引き受け直す過程ではないでしょうか。
敵味方が同じ場所で踊るOPは、ただの遊びではない?
一見すれば、第2クールOPの学園祭風演出は、シリアスな本編とのギャップを楽しむためのサービス映像です。
確かに、それだけでも成立します。
ただ、僕がどうしても引っかかるのは、敵と味方という本編の分類がOPではかなり緩められていることです。
戦えば殺伐とする者同士が、そこでは同じ舞台に立つ。
これ、「本当に別の存在なのか?」という問いを映像だけで投げているようにも見えませんか。
そこへ「BAD遺伝子」の、攻撃性の中に愛情と甘えを残すという構造を重ねてみます。
すると、喧嘩とは“無関係な者同士の衝突”ではなくなります。
むしろ逆です。
切れない関係があるから、衝突する。
親子がまさにそうです。
どれほど反発しても、親から何かを受け継いでいる事実そのものは消せない。
そして『鎧真伝サムライトルーパー』もまた、1988年から1989年に放送された『鎧伝サムライトルーパー』の正統続編として生まれた作品です。
ここで「遺伝子」という言葉が急に作品そのものへ刺さってくる。
旧作のコピーにはなれない。
でも、旧作を無かったことにもできない。
憧れているだけでも駄目だし、反発して壊すだけでも続編にはならない。
……これ、親子と同じ構造なんじゃないか。
「継承」とは、同じになることではない
『鎧真伝サムライトルーパー』というタイトルには、旧作『鎧伝』を思わせる名前そのものが残っています。
新しい作品でありながら、最初から過去を背負っている。
だから僕は、「BAD遺伝子」における“BAD”を、単純な「悪い血」とは読みません。
むしろ、自分では選べなかったものに対して一度「こんなものはいらない」と叫ぶための言葉なのではないでしょうか。
親の価値観。
過去の英雄。
受け継いだ名前。
周囲から向けられる期待。
それらに一度反抗しなければ、「自分が残したいもの」を自分自身で選べない。
受け継ぐことは、同じになることじゃない。
一度疑い、一度壊し、その上でなお手元に残ったものを、自分の意思でもう一度選ぶこと。
もし「BAD遺伝子」がそこまで含んだ歌だとしたら、旧作から約37年を経て始まった新たな『サムライトルーパー』のOPとして、これ以上ないほど危うくて面白いタイトルです。
攻撃性だけなら反逆になる。
愛情だけなら懐古になる。
でも、その二つが同じ場所にあるからこそ、継承になる。
いや、だとしたら「盛大な親子喧嘩」という制作テーマ、作品の外側にまで届きすぎている。
新世代が旧世代へ向けて「あなたたちと同じにはならない」と叫びながら、それでも同じ“サムライトルーパー”を名乗る。
僕には「BAD遺伝子」が、その矛盾ごと肯定する歌に聞こえるのです。
鎧真伝サムライトルーパー主題歌と「BAD遺伝子」まとめ
『鎧真伝サムライトルーパー』では、第1クールOPにblank paper「YOAKE」、EDにONE OR EIGHT「POWER」、第2クールOPにDannie May「BAD遺伝子」、EDにカラノア「ばけもん」が起用されています。
「BAD遺伝子」は2026年7月7日に始まった第2クールのOPで、翌7月8日にデジタルリリースされました。作詞・作曲はマサ、編曲は田中タリラです。
公式に示された核は、“盛大な親子喧嘩”。
しかし、その攻撃性の中には愛情と甘えも残されています。
そしてOP映像では、本編なら敵味方に分かれるキャラクターたちまで、学園祭のような空間で同じ時間を共有している。
だから僕には、この曲が単なる反抗を歌っているとはどうしても思えません。
過去から受け継いだものを嫌い、疑い、それでも完全には捨てられない。
その葛藤の中から、自分なりの「継承」を選び直していく。
『鎧真伝サムライトルーパー』という新世代の物語に「BAD遺伝子」が流れる意味は、もしかするとそこにあるのではないでしょうか。
よくある質問
鎧真伝サムライトルーパーの主題歌は全部で何曲?
第1・第2クールのOPとEDを合わせると4曲です。第1クールはblank paper「YOAKE」とONE OR EIGHT「POWER」、第2クールはDannie May「BAD遺伝子」とカラノア「ばけもん」です。
「BAD遺伝子」は鎧真伝サムライトルーパーの何クール目のOP?
「BAD遺伝子」は第2クールのオープニング主題歌です。第2クールは2026年7月7日から放送・配信が始まりました。
「BAD遺伝子」はどんなテーマの曲?
Dannie Mayは、“盛大な親子喧嘩”をテーマに、思春期の苛立ちや葛藤を込めた楽曲だと説明しています。激しい攻撃性だけでなく、その中に愛情や甘えも含ませている点が特徴です。
相沢 透
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