『無職転生』のラプラスは、ヒトガミ討伐の使命を託されながら、魂の分裂によって目的を失った元・魔龍王です。
魔神ラプラスと技神ラプラスは、もともと同じ存在でした。そしてオルステッドとは公式に兄弟と呼ばれてはいないものの、初代龍神を介して“義兄弟に近い”と解釈できる深い因縁があります。
※この記事は『無職転生』原作本編および関連外伝の重大なネタバレを含みます。
本記事では、原作本編と外伝『古龍の昔話』で確認できる内容を中心に整理します。作者Q&Aなどに由来する補足は「作者発言」、複数の設定から導く説は「有力説」、筆者による読み解きは「筆者考察」と明記します。
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ラプラスの正体とは?魔龍王・魔神・技神の違い
結論から言うと、魔龍王ラプラス、魔神ラプラス、技神ラプラスは、もともと一人の存在です。
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魔龍王ラプラスの魂が二つに分裂し、魔力と魔術を強く受け継いだ魔神ラプラス、技術と戦闘能力を強く受け継いだ技神ラプラスが生まれました。
情報区分:原作本編・『古龍の昔話』で確認できる設定
呼び名 立場・特徴 作中で確認できる目的
魔龍王ラプラス 五龍将の一人で、のちに二代目龍神となった存在 ヒトガミを倒す方法を研究し、未来のオルステッドへ残す
魔神ラプラス 魔力、魔術知識、強靭な肉体を受け継いだ片割れ 人族の滅亡を目指し、ラプラス戦役を起こす
技神ラプラス 戦闘技術や知識を受け継いだ片割れ 技を磨き、後世へ伝える
七大列強での位置 技神は第一位、魔神は第四位 順位だけで総合的な強さを断定することはできない
七大列強では技神ラプラスが第一位、魔神ラプラスが第四位です。
ただし、この順位は単純な戦闘力ランキングではありません。列強同士の勝敗や称号の継承によって順位が動くため、「第一位の技神が、あらゆる状況で魔神より強い」とは断定できないのです。
魔神ラプラスは、膨大な魔力と魔術知識を持つ規格外の存在でした。
対する技神ラプラスは、魔龍王時代の技術を受け継いだとされています。ただし、原作本編では技神の現在地や具体的な活動内容が詳しく描かれておらず、「本編の時代に何をしているのか」まで確定情報として語ることはできません。
そして分裂前の魔龍王ラプラスは、魔神の魔力と技神の技量を併せ持っていたと考えられます。
強さの比較については作者Q&Aなどでも補足されていますが、戦闘条件や時期によって結果が変わるため、オルステッドと完全に同格だと一言で断定するのは慎重であるべきでしょう。
それ以上に重要なのは、ラプラスが最初から人族の敵だったわけではないことです。
『古龍の昔話』で描かれる若きラプラスは、孤独な環境で生きていたところを初代龍神に保護され、龍族の一員として言葉や知識、戦い方を学んでいます。
後世の人々が知る「魔神ラプラス」と、かつての「魔龍王ラプラス」は、目的も他者への態度も大きく異なります。
同じ魂を起点にしているのに、残された記憶と能力の違いによって、まるで別人のような存在になってしまった。
ラプラスの正体を理解するうえで、まず押さえたいのはこの断絶です。
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ラプラスとヒトガミには何があった?
魔龍王ラプラスは、初代龍神からヒトガミ討伐の使命を直接託された人物です。
しかしヒトガミの暗躍によって六面世界の秩序は崩壊し、ラプラス自身も後世ではヒトガミを守る壁のような立場へ追い込まれてしまいました。
情報区分:主に外伝『古龍の昔話』で描かれる公式設定
かつて世界は、人の世界、龍の世界、魔の世界、獣の世界、海の世界、天の世界という六つの世界に分かれていました。
ラプラスは龍族と魔族双方の性質を持つ存在として生まれ、幼少期を孤独に過ごします。
やがて初代龍神に保護され、「ラプラス」という名を与えられました。
ラプラスに言葉や文化、戦闘技術を教えたのは、五龍将の一人である甲龍王ドーラです。
成長したラプラスは魔眼を開眼し、功績を重ねたことで魔龍王の称号を得ました。龍神の補佐として各世界を訪れ、異なる種族や文化に触れる役割も担っています。
この時代のラプラスは、他種族の絶滅を目指す支配者ではありません。
むしろ龍族と他世界をつなぎ、知識を集める側にいました。のちの魔神ラプラスが魔族を束ねる能力を見せたのも、かつて多様な種族と関わった経験の名残なのかもしれません。
六面世界の崩壊は、初代龍神の妻ルナリアが命を奪われたことから加速します。
事件の背後でヒトガミが暗躍し、各世界の疑念と対立を増幅させた結果、龍族は獣の世界、海の世界、天の世界、魔の世界との戦争へ進みました。
世界は一つずつ崩壊し、龍神と五龍将の関係にも亀裂が入ります。
真相へ近づいた時には、すでに取り返しのつかないところまで被害が広がっていました。
ヒトガミとの戦いで致命傷を負った初代龍神は、息子オルステッドをはるか未来へ送ります。
同時にラプラスへ、ヒトガミの正体や居場所、倒す方法を調べ、未来に現れるオルステッドへ伝えるよう命じました。
ここからラプラスの人生は、まだ会ってもいないオルステッドへ何かを残すための時間になります。
崩壊する龍の世界から生き延びたラプラスは、二代目龍神として人の世界で研究を続けました。
武術、魔術、転生法、魔道具などを研究し、ヒトガミが存在する無の世界へ到達する方法を探します。五龍将に関係する秘宝も、ヒトガミ討伐の計画と深く結びつく道具です。

ところが第二次人魔大戦で、ラプラスは闘神鎧をまとったバーディガーディと激突します。
バーディガーディはヒトガミの誘導を受けて闘神鎧を使用しており、ラプラスが研究に関わった力が、結果的にラプラス本人へ向けられました。
この戦いによってラプラスは大きな損傷を受け、転生法も正常には機能しませんでした。
その結果、魂は魔神ラプラスと技神ラプラスへ分かれます。
魔神側には膨大な魔力と魔術知識が、技神側には膨大な技術が残った一方、魔龍王時代の記憶と使命は完全な形では受け継がれませんでした。
「ヒトガミ」から「ガミ」が抜けたという説は公式なのか?
「ヒトガミを倒す」という目的から“ガミ”が抜け、「ヒトを倒す」という衝動だけが残ったという説明は、広く知られる解釈ですが、作中で言葉遊びとして明言された公式設定とは区別すべきです。
魔神ラプラスが人族への憎悪を抱き、人族の滅亡を目指したことは原作で確認できます。
一方で、その原因を「ヒトガミという言葉からガミだけが欠落したため」と説明する部分は、魂の分裂と記憶の欠損を分かりやすく表現した有力説に近い位置づけです。
情報区分:魔神の目的は公式設定/言葉の欠落による説明は有力説
ラプラスは本来、ヒトガミを倒すために生きていました。
しかし分裂後の魔神は、人そのものを敵とみなし、ラプラス戦役を起こします。
結果だけを見れば、ヒトガミを討つはずの人物が、ヒトガミとの決戦を目指すオルステッドを消耗させる存在へ変わりました。
筆者としては、この構造こそヒトガミの恐ろしさだと感じます。
ヒトガミは敵の肉体だけを滅ぼすのではありません。その人物が積み上げた関係、目的、研究成果をねじ曲げ、別の敵へ向け直してしまう。
ラプラスは悪へ転向したというより、目的へ至るための文脈を失ったまま、強大な力だけが走り続けている状態なのです。
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ラプラスとオルステッドは兄弟なのか?
ラプラスとオルステッドは、公式に兄弟と呼ばれているわけではありません。
ただし、ラプラスは初代龍神に育てられ、オルステッドは初代龍神の実子であるため、関係性としては“義兄弟に近い”と解釈できます。
情報区分:血縁と生い立ちは公式設定/義兄弟という呼称は筆者による関係性の整理
ラプラスは初代龍神の実子ではありません。
幼い頃に保護され、龍族の社会で育てられた存在です。一方のオルステッドは、初代龍神とルナリアの間に生まれた息子でした。
そのため、二人に血のつながりはありません。
また、ラプラスとオルステッドが同じ家庭で長期間暮らし、一般的な兄弟のような時間を過ごしたわけでもありません。
それでも、初代龍神は自らの息子へ未来を託し、その息子を助ける役割をラプラスへ託しました。
ラプラスは命令を受けた後、オルステッド本人に会える保証もないまま、長い年月をかけて研究を続けます。
武術を発展させ、魔道具を作り、転生法を研究し、ヒトガミへ到達する手段を残そうとしました。
ただの部下として命令を実行した、と整理することもできます。
けれど、滅びた龍族の願いと初代龍神の息子を未来へつなぐことが、ラプラス自身の生きる理由になっていたと考えると、その関係は主従だけでは収まりません。
まだ顔も知らない家族へ、何万年も先に届く荷物を送り続けるような生き方です。
だからこそ私は、ラプラスとオルステッドを「公式の兄弟」ではなく、初代龍神の遺志によって結ばれた、義兄弟に近い存在として捉えています。
なぜオルステッドは魔神ラプラスと戦うのか?
オルステッドが戦う相手は、かつての魔龍王ではなく、人族の滅亡を目指して復活する魔神ラプラスです。
前身が味方だったとしても、復活後に大規模な戦争を起こす以上、オルステッドは放置できません。
情報区分:原作本編で語られる公式設定
オルステッドは時間を繰り返すなかで、魔神ラプラスが未来に復活する歴史を何度も経験しています。
本来の歴史では、ルーデウスが生きる時代からおよそ八十年後に魔神ラプラスが復活するとされていました。
復活したラプラスは勢力を集め、再び大きな戦争を起こします。
オルステッドにとって魔神ラプラスとの戦いは、ヒトガミへ到達する前に越えなければならない難関です。
しかもオルステッドは魔力の回復が非常に遅く、大規模な戦闘で消耗すると、その後のヒトガミ戦に影響します。
魔神ラプラスがオルステッドを直接倒せなかったとしても、神刀を使わせ、大量の魔力を消費させれば、ヒトガミ側には利益が生まれます。
ここにラプラスとオルステッドの因縁の苦さがあります。
ラプラスは本来、オルステッドをヒトガミへ届けるために研究を重ねていました。
ところが魂の分裂後は、オルステッドの進路を塞ぎ、魔力を削る存在になっています。
守るために残した力が、未来では最大級の障害になる。
オルステッドが感情を表へ出しにくい人物だからこそ、この事実は静かに刺さります。彼が倒そうとしているのは、最初から憎み合っていた敵ではないのです。
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ラプラス戦役とラプラス因子は復活にどう関係する?
魔神ラプラスはラプラス戦役で倒されましたが、完全には消滅せず、ラプラス因子を利用して未来へ転生する仕組みを残しました。
ラプラス因子を持つことと、魔神ラプラス本人になることは同じではありません。
情報区分:原作本編で説明される公式設定
魔神ラプラスは魔大陸の魔王たちを従え、多様な魔族を統一しました。
そして人族の滅亡を目的として、後世にラプラス戦役と呼ばれる大戦を引き起こします。
戦争は伝承上、およそ百年にわたって続きました。
人族側は甚大な被害を受け、最後は七人の英雄が魔神ラプラスとの決戦へ向かいます。
決戦では多くの英雄が命を落とし、龍神ウルペン、北神カールマン、甲龍王ペルギウスらも追い詰められました。
ルイジェルドがスペルド族の第三の目で魔神ラプラスの弱点を見抜いたことも、勝敗を左右する重要な要素として語られています。
ルイジェルドとラプラスには、決戦以前から深い因縁がありました。
魔神ラプラスはスペルド族へ強力な槍を与えます。槍は高い戦闘能力をもたらす一方、使い手の精神へ悪影響を及ぼしました。
スペルド族は敵味方の区別を失って暴走し、同族や家族まで傷つけてしまいます。
ルイジェルドも影響を受けましたが、息子が槍を折ったことで正気を取り戻しました。その後は魔神ラプラスを倒し、スペルド族の汚名をそそぐために長い旅を続けます。
魔神ラプラスは戦役で肉体を失ったものの、転生による復活を準備していました。
その仕組みに関わるのが、世界へ広がったラプラス因子です。
ラプラス因子は世代を超えて受け継がれ、保有者の身体や能力へ影響を与える場合があります。
作中で関連づけられる主な性質は、次のとおりです。
- 通常より大きな魔力を持つ
- 魔術に高い適性を示す
- 緑色の髪など、ラプラスを連想させる特徴が現れる
- 生まれつき魔眼を持つ
- 闘気をまとえない
- 身体能力の一部が高くなる
ただし、因子の現れ方には個人差があります。
すべての特徴が同時に出るわけではなく、因子を持っていても外見上は分かりにくい人物もいます。
ルーデウスとシルフィエットも、ラプラス因子と関係する特徴を持つ人物です。
ルーデウスは非常に大きな魔力を持つ一方、闘気をまとえません。シルフィは高い魔術適性を示し、幼少期には緑色の髪をしていました。
しかし、二人が魔神ラプラスへ変わると確定しているわけではありません。
因子を持つことは、ラプラスの人格をそのまま受け継ぐことや、必ず転生先になることを意味しないのです。
魔神ラプラスが復活するには、その魂を受け止められる肉体が必要になります。
オルステッドは過去の周回で蓄えた知識から、人物の誕生、婚姻、血筋の流れを読み、転生先を予測しようとしていました。
復活直後の力が整っていない段階で倒せれば、再び大戦を起こされる危険と、自身の魔力消費を抑えられるからです。
ところがルーデウスの存在によって、オルステッドが知る歴史は変化しました。
人間関係や結婚、子どもの誕生が変われば、ラプラス因子が受け継がれる経路も変わります。
その結果、魔神ラプラスが誰として、どこへ転生するのかは、以前の周回ほど正確には予測できなくなりました。
ルーデウスはヒトガミの予測を外れる存在であると同時に、オルステッドの未来予測まで崩す存在です。
味方を得る代わりに、知っていた未来を失う。
この交換は、オルステッド陣営が抱える重要なリスクだと考えられます。

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五龍将の秘宝がラプラスとオルステッドを結ぶ理由
オルステッドはヒトガミのいる無の世界へ進むため、五龍将に関係する秘宝を集める必要があります。
魔神ラプラスがその一つを持つため、オルステッドはラプラスの復活を避けるだけでは目的を達成できません。
情報区分:原作本編および龍族関連の設定で確認できる内容
五龍将の秘宝は、無の世界へ至るために必要な鍵として扱われています。
ヒトガミを倒したいオルステッドにとって、秘宝の回収は決戦へ向かうための必須条件です。
問題は、秘宝の一つが魔神ラプラスと結びついていることです。
魔神ラプラスは未来へ転生するため、オルステッドは復活前に問題を完全に消し去るだけでは済みません。
秘宝を回収できないまま転生の仕組みだけを壊せば、無の世界へ進む手段まで失うおそれがあります。
つまり、オルステッドには相反する二つの課題があります。
- 魔神ラプラスによる新たな戦争を防ぐ
- 魔神ラプラスから秘宝を回収する
- 戦闘による魔力消費を最小限に抑える
- ヒトガミとの最終決戦に必要な戦力を残す
ラプラスを早く倒せば、それですべて解決するわけではありません。
復活を許せば被害が広がり、完全に封じれば秘宝を失う可能性がある。しかも激戦になれば、オルステッド自身が消耗します。
ヒトガミから見れば、ラプラスは非常に都合のよい障壁です。
魔龍王ラプラス本人はヒトガミの敵だったにもかかわらず、分裂後の存在と転生の仕組みが、ヒトガミへ近づくオルステッドを足止めしています。
ただし、「ヒトガミが最初からラプラスの復活やスペルド族の衰退をすべて計画していた」とまで断定する根拠は十分ではありません。
ヒトガミが未来を見ながら人々を誘導し、オルステッドの消耗を狙っていることは作中の行動と整合します。
一方で、スペルド族への槍やラプラス戦役の全過程までヒトガミが直接設計したとする説は、複数の設定をつないだ有力な考察として扱うのが適切です。
情報区分:オルステッドの消耗がヒトガミに有利なのは公式設定と整合/スペルド族排除まで一貫した計画だったという見方は有力説
事実と考察を分けて読むと、ヒトガミの恐ろしさがかえって鮮明になります。
何もかも自分で作る必要はないのです。
すでに存在する憎しみ、呪い、研究成果、転生法を少しずつ望む方向へ動かせば、敵同士をぶつけられる。
ヒトガミはラプラスを完全な味方にしたのではありません。
敵であるラプラスを、別の敵へ向けることに成功した。その違いはかなり重要です。
ラプラスは復活後も敵なのか?ヒトガミとの因縁を考察
現時点の確定情報だけで判断すれば、復活した魔神ラプラスはオルステッド陣営の敵になる可能性が高いです。
魔龍王時代の記憶が戻ることや、魔神と技神が再統合されることは、原作本編で確定した展開ではありません。
情報区分:復活後の戦争はオルステッドが知る歴史/記憶回復や再統合は未確定の考察
魔神ラプラスは、人族への憎悪と膨大な力を持って復活すると考えられています。
過去の周回では、復活後に勢力を集め、新たな戦争を起こしました。
ペルギウスにとって、魔神ラプラスは仲間たちを失った戦いの相手です。
ルイジェルドにとっても、スペルド族の誇りと家族を奪う原因になった存在でした。
たとえオルステッドが「魔神の前身はヒトガミ討伐を目指した魔龍王だった」と説明しても、被害を受けた当事者がすぐに受け入れられるとは限りません。
過去を知っただけで責任が消えるわけではないからです。
一方で、魔神ラプラスと技神ラプラスには、分裂前の目的や記憶の断片が残っていると考えられます。
しかし、二人が記憶を完全に取り戻せるのか、接触すれば一つの魂へ戻れるのか、魔龍王ラプラスとして復活できるのかは明示されていません。
「記憶が戻る可能性が示されている」と断定するより、現時点では設定上の空白が残されていると表現するのが正確でしょう。
技神ラプラスについても同様です。
七大列強第一位として名前は残っていますが、本編時代の活動状況や、魔龍王時代の使命をどこまで理解しているかは不明です。
技神が七大列強を作った目的については、技術を後世へ残す仕組みだったと読むことができます。
ただし、「未来のオルステッドへ技を渡すためだけに七大列強を作った」と限定するのは、公式設定ではなく考察です。
筆者考察:ラプラスは二つの方法で未来へ自分を残した
ラプラスについて私がとくに興味深いと感じるのは、魔神と技神が異なる方法で未来へ力を残している点です。
魔神ラプラスは、ラプラス因子によって肉体の性質を世代の先へ伝えました。
技神ラプラスは、七大列強や技術の継承によって、戦い方を世代の先へ伝えたと解釈できます。
一方は血や身体を通じた継承。
もう一方は技術や称号を通じた継承です。
これは偶然ではなく、分裂したラプラスがそれぞれ別の形で「自分を未来へ届けようとした」結果にも見えます。
魔龍王ラプラスは、未来のオルステッドへ知識と力を残そうとしていました。
分裂後は相手の名前も本来の理由も失った。それでも、未来へ何かを渡そうとする行動だけは、魔神と技神の両方に残ったのではないでしょうか。
魔神は自らを受け止める肉体を作ろうとし、技神は自らが磨いた技を世界へ広げた。
目的は歪み、方法も別れたけれど、「未来へ残す」という性質は消えなかった。
ここに、ラプラスというキャラクターの核があると私は考えています。
筆者考察:ラプラスに必要なのは和解ではなく責任かもしれない
仮に魔神ラプラスが魔龍王時代の記憶を取り戻しても、すべてが解決するとは思えません。
魔神として起こした戦争や、スペルド族へ与えた被害は消えないからです。
本来の目的を思い出したラプラスが、すぐにオルステッドの味方となり、過去の被害者とも和解する。そんな結末では、ラプラス戦役の重さが薄れてしまいます。
むしろ必要なのは、許されることではなく、何をしてしまったのかを知ったうえで行動を選ぶことではないでしょうか。
許されなくても、ヒトガミへ向き直ることはできる。
失ったものが戻らなくても、未来へ残す力の方向を変えることはできる。
ラプラスが救われる可能性があるとすれば、過去を帳消しにする完全な救済ではなく、自分の行動と使命を引き受ける不完全な救済だと思います。
オルステッドにとっても、それは簡単な再会にはなりません。
自分を助けるために生き、結果として自分の前に立ちはだかった存在と、ようやく同じ時代で向き合うことになるからです。
二人が公式な兄弟でなくても、初代龍神が残した願いをそれぞれ背負っていることは変わりません。
オルステッドは未来へ送られた息子。
ラプラスは未来の息子を助けるよう命じられた継承者。
この二人の戦いは、単純な龍神対魔神ではありません。
何万年も前に途切れた家族の意志が、敵同士という最悪の形で再会する物語でもあるのです。
まとめ|ラプラスの正体は使命を失った魔龍王
『無職転生』のラプラスは、魔神として生まれた悪の支配者ではありません。
初代龍神に育てられ、ヒトガミを倒す方法を未来のオルステッドへ残す使命を背負った魔龍王でした。
しかし第二次人魔大戦で魂が分裂し、魔力と魔術を受け継いだ魔神ラプラス、技術を受け継いだ技神ラプラスへ分かれます。
魔神は人族の滅亡を目指し、技神は技を磨き続けました。
「ヒトガミを倒す」という使命から「ガミ」が失われたという説明は分かりやすい有力説ですが、公式に明言された言葉遊びとは区別する必要があります。
オルステッドとラプラスも、公式に兄弟と呼ばれているわけではありません。
それでも、初代龍神の実子と、初代龍神に育てられた継承者という立場から、義兄弟に近い因縁を持つと解釈できます。
ラプラスを理解すると、ヒトガミとオルステッドの戦いの見え方も変わります。
これは強大な敵を倒すだけの戦いではありません。ヒトガミによって意味をねじ曲げられた力と使命を、未来の世代が正しい場所へ戻せるのかを問う物語なのです。
よくある質問
『無職転生』のラプラスはヒトガミの仲間ですか?
ヒトガミの仲間ではありません。
分裂前の魔龍王ラプラスは、初代龍神からヒトガミを倒す方法を研究するよう命じられていました。ただし魂の分裂後、魔神ラプラスは本来の使命を失い、結果的にオルステッドを妨害する存在となっています。
魔神ラプラスと技神ラプラスは同一人物ですか?
もともとは同一人物です。
魔龍王ラプラスの魂が分裂し、魔力や魔術を強く受け継いだ魔神ラプラスと、戦闘技術を強く受け継いだ技神ラプラスに分かれました。
オルステッドとラプラスは本当の兄弟ですか?
血のつながった兄弟ではなく、作中でも公式な兄弟とは呼ばれていません。
ラプラスは初代龍神に育てられ、オルステッドは初代龍神の実子です。そのため、初代龍神を介した義兄弟に近い関係と解釈できます。
執筆:相沢 透(あいざわ・とおる)


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