ロゼ・マーブルハートは、ベリルの元弟子であり、教会騎士団の副団長を務める女性騎士です。
『片田舎のおっさん、剣聖になる』では、おっとりした親しみやすさと、信仰や人質を利用される苦悩を併せ持つ人物として登場します。
この記事では、ロゼ・マーブルハートの名前、所属、性格、ベリルやアリューシアとの関係、物語で背負う役割を整理します。後半では重大な展開にも触れるため、未読・未視聴の方はネタバレにご注意ください。
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ロゼ・マーブルハートのプロフィールは?
ロゼ・マーブルハートは、佐賀崎しげるさんによるライトノベル『片田舎のおっさん、剣聖になる』に登場する女性騎士です。
主人公ベリル・ガーデナントの元弟子の一人で、現在はスフェンドヤードバニア教会騎士団の副団長を務めています。
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まずは、判明しているロゼ・マーブルハートの基本プロフィールを整理します。
項目 内容
名前 ロゼ・マーブルハート
登場作品 『片田舎のおっさん、剣聖になる』
所属 スフェンドヤードバニア教会騎士団
役職 副団長
ベリルとの関係 元弟子
修業期間 約1年半
性格 おっとりしており、子供好きで面倒見が良い
声優 茅野愛衣
主な役割 グレン王子の使節団護衛
別の姿 純白の乙女(ホワイト・メイデン)
ロゼの声を担当するのは、茅野愛衣さんです。
落ち着きや包容力を感じさせる声と、本人の内側に隠された苦悩の両方が求められるキャラクターだけに、ロゼの柔らかな人物像と相性の良い配役だと感じます。
ロゼ・マーブルハートという名前の意味は?
作中で「ロゼ・マーブルハート」という名前の由来や、家名が持つ歴史が詳しく説明されているわけではありません。
そのため、名前の意味について断定することはできませんが、「ロゼ」という柔らかな響きと、「マーブルハート」という硬質な家名の組み合わせは、彼女の二面性を連想させます。
普段のロゼは穏やかで、人懐っこく、ベリルにも遠慮なく距離を詰める女性です。
しかし、その内側には騎士としての強さ、信仰への忠誠、守るべき子供たちへの責任、そして自分の行動への迷いが複雑に重なっています。
柔らかな花を思わせる名前と、傷ついても折れきらない心。これはあくまで筆者の解釈ですが、ロゼ・マーブルハートという名前には、彼女の優しさと頑固なまでの責任感がよく表れているように思えます。
ベリルの弟子だった期間は約1年半
ロゼはベリルの元弟子ですが、道場で修業していた期間は約1年半です。
ベリルの弟子たちには、アリューシア・シトラスやスレナ・リサンデラ、フィッセル・ハーベラーなど、それぞれ異なる道を歩んで大成した人物がいます。
その中でロゼは、教会騎士団という宗教組織に属する道を選びました。
修業期間だけを見れば、ベリルと過ごした時間は決して長くありません。それでもロゼは、自分を「ベリルの愛弟子」と名乗るほど師匠への思いを強く残しています。
ここが面白いんですよね。
ベリルにとっては数多くの教え子の一人でも、ロゼにとってベリルとの1年半は、その後の生き方を支えるほど濃密な時間だったと考えられます。
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ロゼ・マーブルハートの所属はスフェンドヤードバニア教会騎士団
ロゼ・マーブルハートは、スフェンドヤードバニア教会騎士団の副団長です。
単なる一般騎士ではなく、組織の上層部に位置する副団長であることからも、剣の実力、指揮能力、周囲からの信頼が高い人物だと分かります。
スフェンドヤードバニアは、レベリス王国とは異なる政治・宗教体制を持つ国です。
国内では王権派と教皇派が対立しており、ロゼが関わる事件も、この二つの勢力による権力争いと切り離せません。
グレン王子の使節団護衛としてレベリス王国を訪れる
ロゼがベリルと再会するきっかけは、グレン王子のレベリス王国来訪です。
ロゼは使節団の護衛を担当し、教会騎士団副団長としてレベリス王国へやって来ます。
グレン王子の訪問は、両国の関係だけでなく、サラキア王女との将来的な結びつきにも関係する重要な外交行事でした。
その護衛を任されている時点で、ロゼが教会騎士団内で高く評価されていたことがうかがえます。
一方で、この訪問には表向きの外交とは異なる思惑が潜んでいました。
ロゼは王子を守る立場でありながら、同時に王子の命を脅かす計画へ巻き込まれていたのです。
教会騎士団の副団長として部下からも慕われる
ロゼはおっとりした性格ですが、単にのんびりしているだけではありません。
子供好きで面倒見が良く、道場に通っていた時代には、年下の門下生たちからも慕われていました。
迷子になった子供を助け、母親を捜して再会させる場面からも、困っている相手を放っておけない性格が伝わります。
副団長という役職に就けたのも、剣の腕だけではなく、こうした世話好きな人柄が評価されていたからではないでしょうか。
命令で人を動かすのではなく、自分が先に動くことで周囲を導く。ロゼは、そんな姉のような騎士だったのだと思います。
だからこそ、彼女が後に選ばされる行動は重いのです。
善良で責任感の強い人物ほど、「自分が犠牲になれば誰かを救える」という状況から逃げにくい。その優しさが弱点として利用されてしまいます。

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ロゼ・マーブルハートの性格はおっとりした世話好き
ロゼ・マーブルハートの第一印象は、おっとりしていて親しみやすい女性です。
教会騎士団の副団長という肩書きからは厳格な人物を想像しやすいものの、実際には人との距離を縮めることにためらいがなく、ベリルにも明るく迫ります。
自称「ベリルの愛弟子」として積極的に接する
再会したロゼは、自分を「ベリルの愛弟子」と名乗ります。
修業期間が約1年半だったことを考えると、少し大げさにも聞こえますが、そこにはロゼなりの親愛と誇りが込められているのでしょう。
ベリルに対して遠慮なく距離を詰める姿は、普段の柔らかな性格をよく表しています。
同時に、道場を離れてからもベリルを師匠として慕い続けていたことが分かる言葉です。
ベリル本人は、自分を大人物だとは考えていません。
しかし弟子たちにとって、ベリルの教えは単なる剣術の技ではなく、「どう生きるか」を決める基準になっています。
ロゼもまた、教会騎士団で迷いを抱えながら、心のどこかでベリルに教わったものを手放していなかったのでしょう。
子供好きで孤児院の子供たちを大切にしている
ロゼを理解するうえで、とくに重要なのが子供好きという一面です。
彼女は迷子を助けるだけでなく、孤児院の子供たちを大切にしています。
これは単なる設定上の長所ではありません。
後にロゼがグレン王子暗殺計画へ加担させられる直接的な理由となり、物語の核心へつながっていきます。
教皇派は、ロゼが守ろうとしていた孤児院の子供たちを人質に取ります。
ロゼにとって、命令に従わなければ失われるのは、顔も知らない誰かではありません。日頃から気に掛け、未来を願ってきた子供たちです。
この状況で「正しい選択をすればよかった」と簡単に断じるのは酷でしょう。
王子を守るという騎士の責務と、子供たちを守りたいという個人的な愛情。その二つを意図的に衝突させられたのが、ロゼの悲劇でした。
穏やかさの奥に強い責任感を持つ
ロゼは感情を激しく表に出す人物ではありません。
それでも、自分の選択を他人のせいにして逃げるわけでもなく、最後にはベリルの一撃を受けて敗北します。
彼女は追い詰められ、利用されていました。
しかし同時に、自分が暗殺計画へ加担した事実も理解しており、その責任から目をそらしてはいません。
穏やかな人物が追い詰められた時、必ずしも大声で泣いたり叫んだりするとは限りません。
むしろ普段と変わらない静かな表情のまま、自分だけで重荷を抱え込むことがある。ロゼの苦しさは、まさにその静けさの中にあります。
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ロゼ・マーブルハートとベリル・アリューシアの関係は?
ロゼ・マーブルハートの人物像は、ベリルやアリューシアとの関係を見ることで、より鮮明になります。
ベリルにとってロゼは守るべき元弟子であり、ロゼにとってベリルは、自分の間違いを止めてくれる最後の師匠でした。
一方、アリューシアにとってロゼは、同じ師を慕う元門下生であると同時に、最初は警戒すべき存在でもあります。
ベリル・ガーデナントとの関係
ベリルはロゼの元師匠です。
ロゼが道場で学んだ期間は約1年半ですが、再会後も彼女は強い敬意と親愛を示しています。
ただし二人の関係は、懐かしい師弟の再会だけでは終わりません。
ベリルは、ロゼがグレン王子暗殺計画へ関わっていることを見抜きます。
ロゼは子供たちを人質に取られていましたが、ベリルは事情があるからといって、目の前の裏切りを見逃すことはできませんでした。
最後には剣を交え、ベリルの一撃によってロゼは敗北します。
この対決は、師匠が弟子を罰したという単純な場面ではないと私は考えています。
ベリルはロゼを倒すことで、彼女がこれ以上取り返しのつかない罪を重ねるのを止めました。剣による制圧でありながら、その実態は「まだ戻れる場所へ引き戻す行為」だったのです。
ロゼにとっても、ベリルに見抜かれたことは恐怖だけではなかったはずです。
誰にも相談できず、自分一人で背負っていた苦しみを、最も信頼している師匠にようやく見つけてもらえた。そんな安堵が、心の片隅にはあったのではないでしょうか。
アリューシア・シトラスとの関係
アリューシアはベリルの弟子であり、レベリオ騎士団の団長です。
ロゼが「ベリルの愛弟子」を名乗り、積極的にベリルへ近づくため、アリューシアは当初、彼女を警戒します。
アリューシアもまたベリルを強く敬愛しているため、突然現れた距離の近い元弟子を意識するのは自然な反応です。
ただし、二人の関係は一方的な対立へ進むわけではありません。
アニメ版では、初日の任務後に農業地区の地理を共有しながら、お互いのベリルとの思い出を語り合います。
さらに、迷子の母親を一緒に捜す出来事を経て、ロゼとアリューシアはある程度打ち解けていきます。
この改変は、二人を単純な「師匠を巡る恋敵」のように扱わず、同じ師から大切なものを受け取った者同士として描く意味を持っています。
ベリルへの感情の形は異なっても、彼の剣と人柄に救われたという点では共通している。そこに気づいたことで、アリューシアの警戒心も少しずつほどけたのでしょう。
ガトガ騎士団長との関係
ガトガは、ロゼが所属する教会騎士団の団長です。
ベリルに敗れたロゼは、ガトガによって治療を受けます。
ガトガはロゼの行動を単純に処罰するのではなく、暗殺計画への加担について口外せず、今回の件を不問にする判断を示しました。
もちろん、ロゼの行為そのものが消えるわけではありません。
それでも、孤児院の子供たちを人質に取られ、教皇派の計画へ強制的に巻き込まれた事情を踏まえ、立ち直る機会を残したのです。
この対応からは、ガトガがロゼを副団長という戦力だけでなく、一人の部下として信頼していたことが伝わります。
ベリルが剣で彼女を止め、ガトガが生き延びる道をつなぐ。二人の大人が異なる方法でロゼを救った構図になっています。
グレン王子との関係
ロゼは、グレン王子の使節団を護衛する立場でレベリス王国を訪れます。
しかし実際には、教皇派によってグレン王子暗殺計画へ加担させられていました。
つまりロゼは、守るべき対象を自分の手で危険にさらさなければ、別の守りたい存在を失うという立場に追い込まれています。
その後、ロゼは自らの過ちと向き合い、別の姿で再びグレン王子を守る道を選びます。
最初は脅迫によって王子の命を狙わされた人物が、最後には自らの意思で王子の護衛となる。この反転こそ、ロゼの物語で最も重要な変化です。

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ロゼ・マーブルハートが暗殺計画に加担した理由
ここからは、ロゼ・マーブルハートに関する重大なネタバレを含みます。
ロゼはグレン王子暗殺計画へ自ら望んで参加したわけではありません。
孤児院の子供たちを教皇派に人質に取られ、従わざるを得ない状況へ追い込まれていました。
教皇派に孤児院の子供たちを人質に取られる
ロゼは子供好きであり、孤児院の子供たちを大切にしていました。
教皇派は、その優しさと責任感を利用します。
ロゼが命令に従わなければ、子供たちが危険にさらされる。そう脅すことで、教会騎士団副団長を暗殺計画の一員に変えてしまったのです。
政治的な陰謀では、強い人物を力で倒すよりも、その人物が守りたいものを狙う方が効果的な場合があります。
ロゼは弱かったから利用されたのではありません。
むしろ、強くて責任感があり、決して子供たちを見捨てない人物だったからこそ、人質という手段が有効になってしまいました。
ベリルに裏切りを見抜かれて敗北する
ベリルは、ロゼの不自然な行動から裏切りを見抜きます。
事情を抱えていることに気づきながらも、王族の命が懸かった状況では、彼女を止めなければなりません。
ロゼは最終的にベリルの一撃を受け、敗北します。
ベリルの強さが示される場面であると同時に、弟子の迷いを剣越しに見抜く師匠としての鋭さが描かれる場面でもあります。
ベリルは自分を「片田舎のおっさん」と考えていますが、本当に恐ろしいのは剣速だけではありません。
弟子が何を隠し、どこで苦しみ、どこまで踏み込めば戻れなくなるのかを見抜く。その観察力が、ロゼを最悪の結末から救いました。
教皇への信仰に疑問を抱く
敗北後、ロゼはガトガの治療を受けます。
そこでベリルから、王権派が不当に裁いたと思っていたレビオス司教が、実際には悪事を働き、捕らえられていたことを知らされます。
ロゼが信じていた教会側の説明と、現実に起きていたことが一致していなかったのです。
ベリルはロゼに対し、教皇を無条件に信じてよいのかという疑問を投げかけます。
信仰そのものを否定したのではなく、「権威ある人物が語ったから正しい」という思考を一度止めさせたのでしょう。
この問いかけを受け、ロゼは教会の教えに疑問を持ち始めます。
そして、本当のことを知るためにはまだ死ねないと決意しました。
私は、この瞬間こそロゼの本当の再出発だと感じます。
ベリルに負けたから生き残ったのではありません。自分が信じてきた世界を疑い、それでも自分の目で真実を確かめると決めたから、彼女はもう一度立ち上がれたのです。
純白の乙女ホワイト・メイデンとなったロゼのその後
事件後、ロゼ・マーブルハートは教会騎士団を退団します。
さらに素性を隠し、仮面の傭兵「純白の乙女(ホワイト・メイデン)」へ姿を変えます。
これは名前や衣装を変えただけではありません。
教会から与えられた役職や正義ではなく、自分自身で何を守るかを選び直した姿です。
教会騎士団を退団して素性を隠す
ロゼは暗殺計画の後も、何事もなかったかのように副団長を続けることはしませんでした。
教会騎士団を退団し、自分の正体を隠して行動します。
ガトガが事件への加担を不問としたため、公的には処罰されずに済んだと考えられます。
それでもロゼ自身は、以前と同じ場所へ戻ることを選びませんでした。
ここには、自分の判断を教皇派に委ねてしまったことへの責任と、組織の内部にいたままでは真相へ近づけないという判断があったのでしょう。
罪を隠して安穏と暮らすのではなく、名前と地位を手放して真実を追う。
それは逃亡というより、自分の意思を取り戻すための旅立ちです。
グレン王子の護衛としてベリルと再会
ロゼは教都ディルマハカで行われる、サラキア王女とグレン王子の成婚の儀に姿を現します。
この時の彼女は、教会騎士団副団長ロゼ・マーブルハートではなく、仮面の傭兵「純白の乙女」です。
かつて暗殺計画へ加担させられたグレン王子を、今度は自分の意思で護衛します。
ここでベリルとも再会します。
この再会には、最初の再会とは異なる重みがあります。
最初のロゼは、組織に属しながら大きな秘密を抱え、「愛弟子」という明るい言葉の裏で孤独に耐えていました。
しかし純白の乙女となった後は、立場や命令ではなく、自分が正しいと思う側に立っています。
ベリルの弟子であることを誇るだけだった人物が、ベリルから教わったものを自分の選択で証明する人物へ変わったのです。
最後は教皇にとどめを刺す
ロゼは最終的に、すべての元凶である教皇にとどめを刺します。
かつて教皇の権威や教会の教えを信じていた人物が、その教皇の罪を自らの手で終わらせることになります。
これは単純な復讐ではないでしょう。
ロゼは教皇派によって子供たちを人質に取られ、王子暗殺の駒として利用され、自分の信仰まで裏切られました。
それでも彼女が求めたのは、怒りを晴らすことだけではありません。
何が真実だったのかを知り、自分と同じように誰かが信仰や善意を利用される仕組みを断ち切ることだったと考えられます。
教皇への一撃は、ロゼ自身の過去との決別でもあります。
誰かに命じられた剣ではなく、自分の意志で振るう剣。そこにたどり着いた時、ロゼはようやく「副団長」でも「愛弟子」でもない、一人の騎士として立てたのだと思います。
ロゼ・マーブルハートは弱い?強さと物語上の役割を考察
ロゼ・マーブルハートは教会騎士団の副団長であり、一般的な騎士を大きく上回る実力者です。
ベリルに敗れたため弱く見られる可能性はありますが、相手が規格外の剣士であることを踏まえる必要があります。
副団長を務めるだけの剣技と実績がある
教会騎士団の副団長は、肩書きだけで務まる役職ではありません。
王族の使節団護衛を任されていることからも、ロゼには高い戦闘能力と現場判断力があると考えられます。
ベリルの弟子だった期間は約1年半ですが、弟子として過ごした年数と実力が単純に比例するわけではありません。
道場で得た基礎を、その後の任務と鍛錬の中で磨き続けたからこそ、副団長まで上り詰めたのでしょう。
ただし、ロゼの強さは敵を倒す力だけでは測れません。
地位を捨て、過去の過ちと向き合い、かつて狙った人物を守る側に回る精神的な強さこそ、彼女の最大の特徴です。
ベリルに敗れたのは実力差だけではない
ロゼはベリルとの戦いに敗れます。
純粋な剣技でもベリルが上回っていたと考えられますが、ロゼの心が迷いに満ちていたことも無視できません。
彼女はグレン王子を心から憎んでいたわけではなく、孤児院の子供たちを守るために戦っていました。
成功しても一人の王子を殺し、失敗すれば子供たちが危険にさらされる。
どちらへ進んでも自分が守りたいものを傷つける状況では、剣が鈍るのも当然です。
一方のベリルには、王子たちを守り、弟子を止めるという明確な目的がありました。
両者の差は技量だけでなく、「何のために剣を振るうのか」という覚悟の差でもあったのでしょう。
ロゼはベリルの教育者としての強さを示す人物
『片田舎のおっさん、剣聖になる』では、大成した弟子たちの強さを通じて、ベリルの実力が間接的に示されます。
ロゼもその一人ですが、彼女には別の役割があります。
それは、ベリルが弟子へ教えたものが、剣術だけではなかったと示すことです。
ロゼは一度、守るべきものを見失い、命令と脅迫に従って剣を振るいます。
しかしベリルに止められた後、自分で真実を確かめ、自分で守る相手を決め、自分で教皇と向き合いました。
師匠は弟子の人生を代わりに生きることはできません。
間違いを止めることはできても、立ち直るかどうかを決めるのは本人です。
ベリルはロゼに答えを押し付けず、疑問を渡しました。
「教皇は無条件に信じてよいのか」という問いが、ロゼの人生をもう一度動かした。この関係を見ると、ベリルの本当の強さは、相手を倒す剣よりも、弟子が自分で立ち上がれる余地を残す教え方にあるように思えます。
アニメだけではロゼの本当の印象をつかみにくい
アニメでは、ロゼの明るさやアリューシアとのやり取りが、映像と声によって分かりやすく表現されます。
一方、ロゼがどれほど子供たちを大切にしていたのか、ベリルが彼女の不在をどう受け止めていたのか、事件後も彼女を心配していたことなどは、文章で読むと印象が変わります。
原作では、王族暗殺未遂事件の後、ベリルとアリューシアがバルトレーンを歩きながら、ロゼの安否について話す場面があります。
アリューシアは、負傷して後送されたと説明されたロゼを心配します。
しかしベリルは、ロゼが暗殺計画に関わっていたことや、ガトガと交わした話を明かせません。
ベリルが「彼女は強い」と語りながら、その言葉に単なる負傷への心配とは異なる意味を込めていることが、彼の内面描写から伝わってきます。
表面上は穏やかな会話なのに、ベリルだけが秘密の重さを抱えている。この静かな緊張感は、セリフだけを追うより、原作の地の文で味わう方が深く刺さります。
ロゼの物語を本当に面白くしているのは、正体や裏切りの驚きだけではありません。
ベリルに倒された後も、彼女がどこで迷い、何を疑い、どんな意思で純白の乙女になったのか。その行間を知ることで、再登場した時の白い姿がまったく違って見えてきます。
ロゼ・マーブルハートのプロフィールと関係性まとめ
ロゼ・マーブルハートは、ベリル・ガーデナントの元弟子であり、スフェンドヤードバニア教会騎士団の副団長を務める女性騎士です。
おっとりして子供好きな性格で、道場時代には年下の門下生たちからも慕われていました。
ベリルとの修業期間は約1年半ですが、自ら「ベリルの愛弟子」を名乗るほど、師匠への敬意と親愛を強く持っています。
アリューシアからは当初警戒されるものの、ベリルとの思い出を語り合い、迷子の母親を一緒に捜す中で関係を深めました。
一方、物語では孤児院の子供たちを人質に取られ、グレン王子暗殺計画へ加担させられます。
ベリルに裏切りを見抜かれて敗北しますが、彼の問いかけをきっかけに、教皇や教会の教えを無条件に信じることへ疑問を抱きました。
その後は教会騎士団を退団し、仮面の傭兵「純白の乙女」としてグレン王子を護衛します。
最後には、すべての元凶である教皇に自らとどめを刺しました。
ロゼは、正義と悪の間を行き来した人物ではありません。
大切な存在を人質に取られ、何が正しいのか分からなくなった末に、自分の目で真実を見つけ直した人物です。
彼女の物語が胸に残るのは、最初から迷わない強者だったからではなく、一度は間違え、それでも生きて選び直したからでしょう。
白い仮面の下にいるのは、罪を忘れた騎士ではありません。
罪も迷いも抱えたまま、それでも守る側へ戻ろうとしたロゼ・マーブルハートです。その不器用な再出発にこそ、彼女の本当の強さが表れています。
よくある質問
ロゼ・マーブルハートはベリルの弟子ですか?
ロゼはベリル・ガーデナントの元弟子です。道場で修業していた期間は約1年半ですが、再会後も自ら「ベリルの愛弟子」と名乗るほど強く慕っています。
ロゼ・マーブルハートの所属と役職は?
スフェンドヤードバニア教会騎士団に所属し、副団長を務めています。後に騎士団を退団し、仮面の傭兵「純白の乙女」として活動します。
ロゼ・マーブルハートはなぜグレン王子を裏切ったのですか?
孤児院の子供たちを教皇派に人質に取られ、グレン王子暗殺計画へ加担するよう脅迫されたためです。その後は自らの行動と向き合い、グレン王子を守る側へ転じます。


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