『ブラックトーチ』は、王道ゆえの既視感こそあるものの、弐郎と羅睺の関係性や熱量のあるバトルに強く惹かれる作品です。
「これ、ずいぶん懐かしい匂いがするな」。
アニメ『BLACK TORCH』を見ていて、僕が最初に抱いたのはそんな感覚でした。忍者の末裔、動物と話せる少年、伝説級の物ノ怪、国の秘密組織――文字だけ並べれば、少年漫画好きの脳にあるスイッチを片っ端から押してくるような設定です。
では、『ブラックトーチ』は実際に面白いのでしょうか。
Filmarksでは2026年8月24日時点の掲載画面で179件の感想・評価、スコア3.2。レビューを見ると、「王道で楽しめる」「作画や音楽が良い」という声がある一方、「既視感が強い」「登場人物の言葉遣いが合わない」「数話で離脱した」という厳しい意見も目立ちます。
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評価が真っ二つになる理由を追っていくと、この作品が何を武器にしていて、逆にどこで損をしているのかがかなり鮮明に見えてきます。
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- 『ブラックトーチ』の評価は?Filmarksでは3.2
- 『ブラックトーチ』は面白い?まず魅力になるのは弐郎と羅睺
- 『BLACK TORCH』の感想が割れる理由は「王道」と「既視感」が表裏一体だから
- 『ブラックトーチ』の評価で好評なのは作画・音楽・バトルの空気
- 「アニメじゃ描ききれなかった“真実”を知りたくないですか?」
- なぜ『BLACK TORCH』の感想には途中離脱が目立つのか
- 漫画版『ブラックトーチ』は海外で「過小評価」という感想も
- 考察:『ブラックトーチ』は本当に「ありきたり」なのか
- 「主人公と妖のコンビだけ魅力的」という評価を逆に考えてみる
- 『ブラックトーチ』が合う人・合わない人
- 私見:『BLACK TORCH』は「遅れてきた王道」だからこそ面白い
- 『ブラックトーチ』の評価・感想まとめ
- よくある質問
『ブラックトーチ』の評価は?Filmarksでは3.2
アニメ『BLACK TORCH』は、2026年7月4日に公開されたタカキツヨシさん原作の作品です。制作は100studio、1話あたりの再生時間は約23分となっています。
Filmarksの掲載情報では評価は3.2。極端に低いわけではありませんが、多くの視聴者が無条件で絶賛している作品とも言いにくい位置です。
ただし、この「3.2」という数字だけで作品を判断すると、おそらく実態を見誤ります。
なぜなら感想を細かく読むと、「全部が平均的」というより、刺さる部分と拒否反応が出る部分がかなりはっきり分かれているからです。
肯定的な感想では、主に次のようなポイントが挙げられています。
- バトル作品として素直に楽しめる
- 作画がきれい
- 主人公と妖のコンビが魅力的
- OP・EDや劇中の音楽が印象的
- 2000年代の少年アニメを思わせる雰囲気がある
- 漫画らしい王道展開が好きなら入りやすい
一方、否定的な感想では「どこかで見た設定」「王道すぎる」「キャラクターの口調が苦手」「感情移入する前に展開が進む」といった意見が確認できます。
つまり『ブラックトーチ』は、革新的な設定だけで勝負する作品ではありません。
むしろ、既知の少年漫画的な材料をどう組み合わせ、どれだけ熱く見せるかに重心を置いた作品だと考えた方が分かりやすいでしょう。
ここ、かなり重要です。
新しさを最優先する人と、「こういうのでいいんだよ」と王道の気持ちよさを楽しめる人では、同じ第1話を見ても評価がまるで違ってしまうんです。
アニメ版の基本情報
Filmarksに掲載されている主なスタッフ・キャストは以下の通りです。
項目 内容
原作 タカキツヨシ
公開日 2026年7月4日
制作会社 100studio
監督 馬引圭
シリーズ構成 市川十億衛門
キャラクターデザイン 鈴木豪
我妻弐郎 鈴木崚汰
羅睺 上田燿司
鬼子母神一華 千本木彩花
桐原零司 榎木淳弥
司場涼介 諏訪部順一
宇佐美花 上田麗奈
天鬼 森川智之
主題歌/挿入歌のアーティストとしては、SiMとI Don’t Like Mondays.が掲載されています。
レビューでも音楽に触れる投稿は複数あり、映像だけではなく「音」まで含めた作品の勢いを評価している視聴者がいることは見逃せません。
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『ブラックトーチ』は面白い?まず魅力になるのは弐郎と羅睺
物語の主人公・我妻弐郎は、忍者の末裔として祖父に育てられた高校生です。
しかも彼には、動物と会話できる能力があります。
ある日、弐郎は森の中で傷ついた黒猫を発見します。その黒猫こそが羅睺でした。
しかし羅睺は普通の猫ではありません。
その正体は、かつて「黒き凶星」と呼ばれた伝説の物ノ怪。強大な力を持つ存在だったため、その力を狙う別の物ノ怪たちまで弐郎たちの前へ現れます。
さらに物ノ怪の監視・排除を担う国の秘密組織「公儀隠密局」も介入。
ひとりの高校生と一匹の黒猫の出会いだったはずの物語が、物ノ怪を巡る大きな争いへと接続していくわけです。
……この導線、ものすごく少年漫画です。
けれど僕は、それを欠点だけだとは思いません。
主人公が「強大な人外」と出会い、その存在によって日常の外側にある戦いへ巻き込まれていく。
昔から何度も描かれてきた形式だからこそ、読者や視聴者は説明を大量に受けなくても「ここから何かが始まる」と直感できます。
弐郎は最初から完全な一般人ではない
とくに面白いのは、弐郎が「突然力を与えられた普通の高校生」ではない点です。
彼は忍者の末裔で、動物とも話せる。
つまり羅睺に出会う以前から、すでに日常と非日常の境界線上に立っています。
これが地味に効いています。
羅睺がゼロから弐郎をヒーローにするわけではない。弐郎の中にもともと存在していた異質さへ、羅睺という巨大な異質さが接続される構造なんです。
あるレビューでは「忍者で、動物と話せて、さらに物ノ怪まで」と設定の多さを疑問視する声もありました。
その感覚も分かります。
ただ、僕にはこの「能力の渋滞」こそ、作品の狙いを示しているようにも見えます。
弐郎は最初から普通の社会にきれいに収まる少年ではない。
だからこそ、人間社会から見れば危険な存在である羅睺と出会ったときにも、「怪物だから排除する」という一本線の判断だけでは動かない。
ただ強くなるための設定じゃないんですよね。
人間と人外の境界を越える主人公だから、最初から境界側の人間として設計されている。
そう考えると、一見盛りすぎに見えるプロフィールにも意味が生まれてきます。
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『BLACK TORCH』の感想が割れる理由は「王道」と「既視感」が表裏一体だから
『BLACK TORCH』の評価を語るうえで避けられない言葉があります。
それが「王道」です。
Filmarksでは「良くも悪くも普通」「王道のバトル物」と評価する投稿がある一方、「バトル系が好きならハマりそう」「2000年代の平成アニメを思い出す」と好意的に受け止める声もあります。
同じ特徴を見ているのに、結論だけが正反対なんです。
これは興味深い。
「どこかで見た」は確かに弱点になる
否定的な感想では、『怪獣8号』『幽☆遊☆白書』『チェンソーマン』『BLEACH』など、別作品を連想したという声があります。
海外掲示板Redditでも『BLEACH』を思い出したという投稿がありました。
人間と異形の存在が力を共有する。
特殊な存在を監視・処理する組織が存在する。
異能を持った少年少女たちが戦う。
こうした要素だけ抜き出すと、『ブラックトーチ』だけにしか存在しない構造とは言いにくいでしょう。
2017年に始まった漫画を2026年のアニメとして見る視聴者の場合、その間に似た系統のヒット作を大量に経験しています。
そのため、原作連載当時よりも「見慣れた」と感じやすくなっている可能性もあります。
これ、アニメ化のタイミングとしてはかなり厳しい条件です。
作品そのものが変わっていなくても、周囲の作品史が積み重なれば、視聴者が受け取る「新しさ」は変わってしまうからです。
それでも王道には王道の気持ちよさがある
一方で、王道であることは明確な長所にもなっています。
レビューでは「1話から壮大なストーリーの予感がある」「普通に見られる」「少年っぽいがアイデアは良い」といった好意的な反応も確認できます。
海外掲示板では、全5巻を楽しんだ、もっと長く展開できるアイデアだった、過小評価されている、と評価する読者もいました。
面白いのはここです。
「もっと読みたかった」という感想は、物語に欠点がなかったことを意味しません。
むしろ逆で、作品世界にまだ使い切れていない可能性が見えていたからこそ出る言葉ではないでしょうか。
舞台そのものに魅力がなければ、「もっと続いてほしかった」という未練は残りにくい。
黒猫の姿をした伝説の物ノ怪、忍びの系譜、秘密組織、複数の物ノ怪。
全部をもっと掘れる。
もっと強敵を出せる。
もっと世界を広げられる。
その余白が見えるから、原作漫画を知る読者ほど「短さ」を惜しんでいるように感じます。

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『ブラックトーチ』の評価で好評なのは作画・音楽・バトルの空気
ストーリーへの評価が割れる一方、比較的肯定的な言及が集まっているのが映像と音です。
Filmarksでは「作画が綺麗」「演技も良い」「1話の挿入曲が印象的」「OP、EDがおしゃれ」といった感想が確認できます。
とくに「中二病」という言葉を肯定的なニュアンスで使っているレビューがあるのが象徴的です。
『ブラックトーチ』には、異能バトル作品特有の「格好よさを格好いいまま出す」姿勢があります。
妙に照れない。
そこは強い。
近年は少年漫画的な設定そのものをメタ的に外したり、王道を一度ひねったりする作品も多いですが、『BLACK TORCH』はむしろ直球を投げてきます。
だから感性が合えば、ちゃんと気持ちいい。
サブタイトルにも遊びがある
Filmarksの感想には、「物語のタイトルが日本語ラップの曲名から来ている」と着目した投稿もありました。
こうした部分は、ストーリーの表層だけ追っていると通り過ぎやすいところです。
作品全体の音楽的な感覚や、少しストリート寄りのテンションと結びつけて見ると、『BLACK TORCH』の「古典的な少年漫画なのに妙に現代的」という感触にも納得がいきます。
原作を知るレビューでも「約9年前の作品なのに今っぽい」という感想がありました。
これも面白い評価です。
構造はどこか懐かしい。
でも、画面や音の触感は古びていない。
この時間軸のねじれが、2026年版『BLACK TORCH』ならではの味になっています。
「アニメじゃ描ききれなかった“真実”を知りたくないですか?」
アニメで涙したあの瞬間――。
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なぜ『BLACK TORCH』の感想には途中離脱が目立つのか
高評価だけを並べても、この作品の実像は見えてきません。
Filmarksでは「3話で離脱」「4話で離脱」「5話で離脱」と明言する感想が複数確認できます。
理由として多いのは、ストーリーの既視感とキャラクターへの相性です。
あるレビューでは「主人公の失礼な物言いに疲れた」とされ、別のレビューでは「登場人物の口調が下品」と厳しく評価されています。
また、「主人公と妖のペアには魅力があるが、それ以外のキャラクターに惹かれない」という意見もありました。
この部分は軽視できません。
バトル漫画では設定より先に、「この人たちをもっと見ていたい」と感じられるかが継続視聴を左右するからです。
弐郎の粗さは魅力にもノイズにもなる
弐郎は、万人に好かれる無難な主人公として作られているわけではありません。
口調や態度に荒さがあり、それがキャラクターとしての勢いにもなっています。
ただし、その粗さを「血の通った少年らしさ」と感じるか、「付き合いづらい」と感じるかで印象は大きく変わります。
ここは作画の良し悪しとは違い、修正すれば全員に好かれるという話ではありません。
キャラクターの個性そのものだからです。
だからFilmarksの評価が割れる。
整っているのに合わない。
出来が悪いから離脱するというより、作品が持つテンションと視聴者の好みが早い段階で衝突するタイプなのだと思います。
序盤で「見たことがある」と判断されやすいのも痛い
現代のアニメ視聴環境では、毎シーズン大量の新作が放送・配信されます。
その中で第1話から第3話までに強烈な差別化を示せなければ、視聴者は別作品へ移ってしまいます。
『BLACK TORCH』はその点で少し不利です。
人外との融合、異能組織、少年バトルという大枠を見た時点で、「知っている形」と判断されやすい。
けれど、本来この作品の面白さは、その大枠よりも弐郎と羅睺の距離感や、キャラクター同士が衝突しながら関係を作っていくところにあります。
つまり魅力が立ち上がる位置と、現在の視聴者が作品を判断する位置に少しズレがある。
このズレが、途中離脱の多さにつながっているのではないでしょうか。
漫画版『ブラックトーチ』は海外で「過小評価」という感想も
アニメだけでなく漫画版への反応を見ると、『BLACK TORCH』の評価はさらに興味深くなります。
海外のReddit「r/MangaCollectors」では、原作漫画について「アートが良い」「キャラクターとストーリーが好き」「もっと長く読みたかった」「過小評価されている」といった趣旨の投稿が複数見られます。
原作漫画は全5巻。
短いため集めやすい、読みやすいという意見がある一方、「もっと多くの展開が作れたはず」と惜しむ声も出ています。
なお、掲示板では連載終了を「打ち切り」と表現し、日本での成績が理由だったと推測・説明する投稿もありますが、今回の参考資料だけでは、その経緯を公式事実として断定することはできません。
ここは分けて考える必要があります。
確認できるのは、少なくとも海外読者の一部に「もっと続いてほしかった」と感じるほど強く支持した層がいることです。
短さは欠点であり、今では長所にもなっている
連載作品として見れば、全5巻という短さを物足りないと感じる人はいるでしょう。
しかし今から触れる作品として考えると事情が変わります。
長大なシリーズへ飛び込む覚悟が要らない。
しかも海外掲示板では、1巻から面白かった、全5巻楽しめたという声もある。
これは2026年にアニメから原作へ入る読者にとって、むしろハードルの低さになります。
皮肉なんですよね。
「もっと続いてほしかった」と惜しまれた短さが、時間がたった今では「最後まで追いやすい」という利点へ変わっている。
作品の評価は、刊行当時と後年で同じではありません。
『BLACK TORCH』はまさに、その変化が見えやすい作品だと思います。

考察:『ブラックトーチ』は本当に「ありきたり」なのか
ネットの感想を見ると、『ブラックトーチ』は「王道」「既視感がある」「他作品を思い出す」と言われがちです。
ここまで読んで、「結局、よくある少年バトル漫画なんじゃないの?」と思った人もいるでしょう。
僕は、そこには少し異議があります。
いや、もちろん部品単位なら見たことがあるんです。
忍者。
物ノ怪。
秘密組織。
人外との共生。
異能バトル。
それぞれ単体なら珍しくありません。
でも、『BLACK TORCH』を見るときに注目したいのは、設定の新規性そのものではなく、誰と誰が境界を越える物語なのかです。
「動物と話せる」という能力は本当に戦闘用なのか
まず気になるのが、弐郎の「動物と話せる」という能力です。
少年バトル漫画の主人公能力として見ると、あまり派手ではありません。
最初から炎を出せるわけでもない。
空を飛べるわけでもない。
敵を一撃で倒せるわけでもない。
それなのに、作者は弐郎へこの能力を持たせています。
なぜでしょうか。
単なるキャラ付けと考えることもできます。
でも僕は、ここが『BLACK TORCH』のテーマを最初から示しているように思えて仕方がありません。
動物と話せるということは、人間以外の存在を「言葉を持つ相手」として認識できるということです。
普通の人間にとって動物は、どれだけ愛情を注いでも完全には言葉の通じない存在です。
しかし弐郎には声が届く。
だから森で傷ついた黒猫を見つけたとき、そこにいるのは単なる「猫」ではない。
ひとつの意思を持った相手なんです。
そして、その黒猫の正体が伝説の物ノ怪・羅睺だった。
ここを繋げると見え方が変わります。
弐郎が羅睺を受け入れられる理由は、単に主人公だから勇敢だったのではなく、物語が始まる前から人間以外の声を聞く訓練をしてきた少年だからではないか。
これ、かなり美しい設計だと思うんです。
羅睺が「黒猫」である意味
さらに羅睺は、巨大な獣や禍々しい怪物の姿で弐郎の前に現れるのではなく、傷ついた黒猫として登場します。
ここも妙です。
「黒き凶星」と呼ばれたほどの伝説的な存在なのに、最初に提示される姿は小さく、弱っています。
つまり弐郎と羅睺の関係は、「圧倒的な力に選ばれた主人公」から始まっていません。
先にあるのは、傷ついた存在を見過ごさなかったことです。
強いから手を組むのではない。
役に立つから助けるのでもない。
弱っていたから手を差し伸べる。
その後になって、相手がとんでもない怪物だったと判明する。
この順番が重要なんですよね。
もし最初から羅睺が「世界最強クラスの物ノ怪」として登場し、弐郎がその力を欲して契約していたら、物語の意味はまるで違います。
でもそうではない。
弐郎は「力」を拾ったのではなく、最初はただ「傷ついた黒猫」を拾っている。
ここまで整理すると、『BLACK TORCH』が本当に描きたかったものは、最強能力を得た少年の成り上がりだけではないように見えてきます。
公儀隠密局は「正義」ではなく境界線を引く側
さらに物ノ怪を監視・排除する「公儀隠密局」が登場します。
一般的なバトル作品なら、人類を守る秘密組織は分かりやすい味方になりそうです。
ところが『BLACK TORCH』では、羅睺という危険な物ノ怪と共にいる弐郎自身が、その管理の論理に巻き込まれていきます。
ここで対立しているのは善と悪だけではありません。
「危険だから排除・管理する」という社会の論理と、「目の前の相手を個として見る」という弐郎の論理です。
もちろん羅睺が危険な存在である以上、公儀隠密局の判断にも合理性があります。
だから単純な悪役にはできない。
むしろそこが面白い。
人間社会を守るなら、危険な異物は管理した方が合理的です。
でも、その「異物」に名前があり、声があり、人格があると知ってしまったら?
さっきまで正しかった排除の論理が、急に冷たく見えてくる。
弐郎の能力が「動物と話せる」ことから始まっているのは、やっぱり偶然ではない気がするんです。
「主人公と妖のコンビだけ魅力的」という評価を逆に考えてみる
Filmarksには、主人公と妖のペアには魅力があるが、他のキャラクターにはそれほど惹かれなかったという趣旨の感想があります。
普通に考えれば、これは欠点です。
群像劇としてキャラクターの厚みが足りなければ、長期的な盛り上がりは作りづらい。
でも僕は、この評価を読んだとき少し引っかかりました。
なぜなら、作品の中心に置かれた弐郎と羅睺の関係だけは、否定的なレビューの中でも比較的認められているからです。
それって、かなり重要じゃないか。
『BLACK TORCH』の核は世界観ではなく「相棒」なのではないか
妖怪ものとして設定が珍しいか。
秘密組織ものとして新しいか。
異能力バトルとして革新的か。
そこだけを比較すると、『BLACK TORCH』は後発作品との競争で不利になります。
しかし、「人間と怪物がどう相棒になるか」という一点へ焦点を絞ると、作品の評価軸が変わります。
羅睺は単なる武器ではありません。
弐郎も、羅睺の力を運ぶ器だけではない。
互いに別々の意思を持ち、衝突する。
それでも一緒に戦う。
この「完全には分かり合えない二者が並んで立つ」という関係こそ、本作の芯なのではないでしょうか。
『BLACK TORCH』を最新の設定勝負として見ると、どうしても「見たことがある」が先に来ます。
でも相棒ものとして見ると、評価したくなる瞬間が増える。
僕はそこに、この作品を見るときの一つの鍵があると思っています。
『ブラックトーチ』が合う人・合わない人
ここまでの評価と感想を整理すると、『ブラックトーチ』は万人向けというより、好みが合う人にはかなり分かりやすく刺さる作品です。
とくに相性が良さそうなのは、少年漫画の王道そのものを楽しめる人でしょう。
物語構造のすべてに新奇性を求めるのではなく、既知のルールを使いながらキャラクターと演出でどこまで熱くできるかを見るタイプです。
『BLEACH』など2000年代の少年バトル作品に懐かしさを覚える人も、Filmarksや海外掲示板の感想を見る限り相性は悪くなさそうです。
また、主人公と人外の相棒関係が好きな人にも向いています。
一方、最初の1〜3話で誰も見たことがない世界観を求める人には、かなり厳しいかもしれません。
レビューで繰り返し指摘されている「既視感」は、無視できるレベルではないからです。
キャラクターの粗い口調も、人によっては明確な離脱理由になります。
ここは「見続ければ必ず好きになる」とは言えません。
むしろ数話見て弐郎たちの会話のテンション自体が苦痛なら、その感覚は作品との相性をかなり正確に表している可能性があります。
私見:『BLACK TORCH』は「遅れてきた王道」だからこそ面白い
2026年に『BLACK TORCH』を見ると、少し不思議な感覚があります。
新作アニメなのに、どこか昔から知っている。
Filmarksで「20年前のアニメのよう」「平成のアニメを思い起こす」という感想が出ているのも理解できます。
ただ、僕はこの古さを完全な弱点だとは思えません。
むしろ現在は、作品が次々に「何か新しい仕掛け」を求められる時代です。
第1話で驚かせる。
設定で差別化する。
SNSで語られるフックを作る。
そんな競争の中へ、『BLACK TORCH』は忍者と妖怪と秘密組織を抱えて、ずいぶん真っすぐ走り込んできました。
めちゃくちゃ不器用です。
でも、その不器用さがちょっと愛しい。
「新しくない」と「面白くない」は同じではない
ネットでは「似た作品がある」という指摘が、そのまま作品評価の低さへ結びつくことがあります。
しかし本来、「新規性」と「面白さ」は別の軸です。
ラーメンを例にするなら、醤油ラーメンという形式自体は新しくなくても、一杯として旨いかどうかは別でしょう。
『BLACK TORCH』も近いと思います。
少年と人外が力を合わせる構造自体は新しくない。
でも、弐郎が最初から動物の声を聞けること。
羅睺が「強大な怪物」ではなく傷ついた黒猫として現れること。
その羅睺を排除対象として見る組織が現れること。
これらを一本の線として読むと、単なるテンプレの寄せ集めではなくなってくる。
表面的には「少年が妖怪の力を得て戦う話」。
でもその下には、「人間以外の声を聞ける者が、社会から危険物と判断された存在とどう共存するか」という構造がある。
そこまで見えた瞬間、僕の中では作品の輪郭が少し変わりました。
本当に惜しいのは「王道だったこと」ではない
僕が『BLACK TORCH』で惜しいと思うのは、王道であることそのものではありません。
むしろ、その王道の内側にある独自の面白さが、序盤の段階では「よくある設定」に隠れてしまいやすいことです。
レビューで3話、4話、5話の離脱が複数見られるのも、その弱点と無関係ではないでしょう。
視聴者が「もう知っているタイプの話だ」と判断する速度より、作品が「実はここが違う」と示す速度の方が遅い。
これはかなり痛い。
今のアニメ視聴では、視聴者の時間を奪い合う競争が激しいからです。
でも逆に言えば、王道バトルの型そのものが好きで、その中の細かな差異まで味わえる人なら評価は上がると思います。
だから『BLACK TORCH』を「面白い・つまらない」の二択だけで切るのは、ちょっと乱暴です。
正確には、新鮮さより王道の熱量を評価できるかどうかで、面白さが大きく変わる作品なのでしょう。
『ブラックトーチ』の評価・感想まとめ
『ブラックトーチ』は、2026年7月4日に始まった100studio制作のアニメで、Filmarksでは2026年8月24日時点の掲載画面で179件の感想・評価、スコア3.2となっています。
レビューでは、作画、音楽、主人公・弐郎と羅睺のコンビ、王道バトルの気持ちよさを評価する声がある一方、既視感、キャラクターの口調、序盤の引きの弱さなどを理由に途中離脱したという声も見られます。
だから「『ブラックトーチ』は面白い?」への答えは、単純なYESではありません。
王道の少年バトル、異形との相棒関係、2000年代を思わせる熱量が好きなら面白さを感じやすい。一方、設定の新しさや序盤からの強烈な独自性を重視する人には物足りなく映りやすい作品です。
ただ僕は、「動物と話せる弐郎」が「人間から恐れられる羅睺」と出会う構造を知ってしまうと、この作品を単なる既視感だけでは片づけられません。
声を聞ける者と、声を聞いてもらえなかった怪物。
その二人が肩を並べて戦う。
たぶん『BLACK TORCH』の本当の火種は、派手な異能ではなくそこにあります。
王道という真っすぐな道の上に、ほんの少しだけ別の影が落ちている。
その影に気づいた瞬間、この作品は案外しぶとく頭に残るんです。
よくある質問
『ブラックトーチ』のアニメ評価は何点?
Filmarksの2026年8月24日時点の掲載画面では、『BLACK TORCH』は179件の感想・評価があり、スコアは3.2です。
評価は一方向ではなく、作画・音楽・王道バトルを好意的に見る声と、既視感やキャラクターの言葉遣いを厳しく見る声に分かれています。
『ブラックトーチ』はどんな人なら面白い?
王道の少年バトル、主人公と人外の相棒もの、妖怪・物ノ怪を扱う作品が好きな人は楽しみやすいでしょう。
とくに「新しい設定」そのものより、キャラクター同士の関係やバトルの熱量を重視する人と相性が良いと考えられます。
『BLACK TORCH』がつまらないと言われる理由は?
Filmarksでは、「どこかで見たような設定」「王道すぎる」「登場人物の粗い口調が合わない」といった意見が確認できます。
また、3話から5話ほどで離脱したという感想も複数あり、序盤で独自性を感じられるかどうかが評価を分けるポイントになっています。


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