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サムライトルーパーのキャラソンとNG5とは?声優ユニットと楽曲展開を振り返る

1989年の男性声優ユニットNG5と2026年のキャラクターソングを音楽でつなぐサムライトルーパーの世界 サムライトルーパー
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NG5は1989年結成の男性声優5人組で、2026年の『鎧真伝サムライトルーパー』ではキャラクター名義のアルバム2作が発売されました。

旧作ではキャラクター人気が声優本人へ広がり、新作では劇中を彩った「TOKIO」「Runner」「サムライハート」などをキャラクター自身が歌う。約37年を隔てた二つの音楽展開を並べると、『サムライトルーパー』が「声」をどう物語の外へ運んできたのかが見えてきます。


サムライトルーパーのキャラソンとは?2026年にアルバム2作を発売

『鎧真伝サムライトルーパー』では、「CHARACTER SONG ALBUM vol.1」が2026年5月27日、「vol.2」が6月24日に発売されました。いずれも税込3,850円で、描き下ろしイラストジャケットと特製ブックレットが用意されています。

とくに面白いのは、いわゆる「キャラクターのために書き下ろされた歌」だけを収めたアルバムではないことです。

第1弾「CHARACTER SONG ALBUM vol.1」は品番EYCA-14958、全8曲。収録内容は次の通りです。

  • 「TOKIO」歌:凱
  • 「人にやさしく」歌:北条大和
  • 「お気楽浄土へ」歌:凱、上杉魁人、北条大和、北条武蔵
  • 「Runner」歌:織田龍成
  • 「サムライハート」歌:凱、上杉魁人、織田龍成
  • 「ブレイブ・トルーパー」歌:凱、上杉魁人、北条大和、北条武蔵、織田龍成
  • 「ブレイブ・トルーパー short ver.」
  • 「ブレイブ・トルーパー inst.」

歌唱キャストは、凱役の石橋陽彩さん、上杉魁人役の榎木淳弥さん、北条大和役の武内駿輔さん、北条武蔵役の村瀬歩さん、織田龍成役の増田俊樹さんです。

続くvol.2は品番EYCA-14959で、こちらは全9曲。以前の情報では曲数と列挙内容に食い違いが見られましたが、現在の公式音楽ページでは9曲すべてを確認できます。

  • 「涙のリクエスト」歌:北条武蔵
  • 「リンダ リンダ」歌:北条大和
  • 「サムライハート」歌:北条大和、北条武蔵、石田紫音
  • 「夢を信じて」歌:石田紫音
  • 「My Revolution」歌:凱
  • 「雨あがりの夜空に」歌:上杉魁人
  • 「サムライソウル」歌:凱、上杉魁人、北条大和、北条武蔵、石田紫音
  • 「サムライソウル short ver.」
  • 「サムライソウル inst.」

歌唱キャストは、凱役・石橋陽彩さん、上杉魁人役・榎木淳弥さん、北条大和役・武内駿輔さん、北条武蔵役・村瀬歩さん、石田紫音役・熊谷健太郎さんです。

ここで見逃せないのが、これらの曲の多くが『鎧真伝』本編ですでに挿入歌として使われていることです。

第1話の「涙のリクエスト」、第2話の「TOKIO」、第3話の「人にやさしく」「リンダ リンダ」、第4話の「Runner」、第5話の「サムライハート」、第7話の「夢を信じて」、第10話の「My Revolution」、第12話の「雨あがりの夜空に」と、作品本編の中で先に鳴った曲が、今度はトルーパーたち自身の声へ渡されています。

つまりこれは、ただの「懐メロを声優がカバーしたCD」ではありません。

物語の中で一度意味を持った曲を、別の歌い手――しかもキャラクター本人――へ渡し直している。僕は、この二段構えこそ今回のキャラソン企画のいちばん面白いところだと思います。

※画像はAIによるイメージ


サムライトルーパーのNG5とは?メンバー5人と1989年の結成経緯

NG5(N.G.FIVE)は、『鎧伝サムライトルーパー』の主要なトルーパー5人を演じた男性声優によって1989年に結成され、1990年まで活動した声優ユニットです。

メンバーは次の5人でした。

  • 草尾毅さん:真田遼/烈火のリョウ役
  • 佐々木望さん:毛利伸/水滸のシン役
  • 竹村拓さん:羽柴当麻/天空のトウマ役
  • 中村大樹さん:伊達征士/光輪のセイジ役
  • 西村智博さん:秀麗黄/金剛のシュウ役

現在では、人気アニメの主要声優がユニットを組み、イベントや音楽活動を行うこと自体は珍しくありません。

しかしNG5が動き始めたのは1989年です。

草尾毅さんは後年の「声優道」のインタビューで、テレビシリーズ終了からOVAまで約半年の空白が生じるため、作品の人気を落とさないために「何かやろう」という話からNG5が始まったと振り返っています。さらに、最年長だった竹村拓さんを中心に、所属事務所の壁を越えて自分たちで創作活動のできるユニットを作ったとも語っています。

ここ、かなり重要なんですよね。

最初から巨大なマーケティング計画によって完成形の「声優アイドルユニット」を投入した、という話ではない。

作品から生まれた5人が、自分たちの意思も交えながらアニメの外へ歩き出し、そこへ予想以上の人気が追いついてきた。

結果としてNG5は、後の男性声優ブームを語るうえでも重要な存在として扱われるようになります。明治大学大学院国際日本学研究科も、佐々木望さんを招いた2020年の特別講義案内で、『サムライトルーパー』の主役5人が人気となり、番組終了後もNG5として活動したことを80年代末から90年代の男性声優ブームの文脈で紹介しています。

1989年12月5日にはアルバム「N.G.FIVE~First&Final~」がキングレコードから発売され、「JUMP WITH ME」「太陽になれるまで」「永遠のスプリンター」など全10曲を収録。オリコンでは最高21位を記録しています。

ライブ映像作品や「TOKYO CITY めるへん」など映像方面にも活動が広がり、一般向けテレビ番組でもNG5が扱われました。『地球発19時』などが当時の声優人気を取材していたことは、後年の振り返り記事からも確認できます。

アニメのキャラクターを演じる人が、その役を離れた瞬間にもファンから「見たい」と求められる。

今では見慣れた光景の原型が、すでにここにあるんです。



NG5の名前の由来と解散理由は?草尾毅が語った「ケンカ別れする前」

NG5という名前については、『鎧伝サムライトルーパー』の音響監督を務めた千葉耕市さんによる「5人ともよくNGを出していたから」という説明が由来として伝えられています。草尾毅さんの著書『EGO』などが出典として挙げられているエピソードです。

あれだけ熱狂的な人気を生んだ一方、活動期間は2年弱と短いものでした。

では、NG5はなぜ解散したのでしょうか。

この点については、草尾毅さん自身が2020年公開の「声優道」でかなり具体的に振り返っています。

急激に人気が高まるにつれ、CDや映像などさまざまな企画が持ち込まれ、関わる大人も増えていった。その過程で次第に物事がぎくしゃくし、このまま続ければ5人がばらばらになると感じたため、決定的な対立になる前に解散する道を選んだ、という趣旨です。

したがって、「メンバーが仲違いして解散した」と単純化するのは少し乱暴でしょう。

むしろ本人の証言から読み取れるのは、人気が個人同士の関係だけでは制御できない規模へ膨張していったことです。

売れたから続いたのではなく、売れすぎたことでユニットを取り巻く構造が変わってしまった。

ここには、まだ「人気声優ユニットをどう運営するか」という業界側のノウハウそのものが十分に蓄積されていなかった時代の難しさも透けて見えます。

2025年に行われた『鎧伝サムライトルーパー』のメモリアル上映会では、草尾毅さんと西村朋紘さんがNG5時代を振り返り、5人には観客を楽しませようとする共通意識があったと語っています。

だからこそ、NG5の終わりを単純な「不仲の結末」と見るより、壊れるところまで行く前に止めた選択として捉えるほうが、現在確認できる本人の証言には近いでしょう。

※画像はAIによるイメージ

サムライトルーパーのキャラソンとNG5は何が違う?

NG5と2026年のキャラクターソングは、どちらも『サムライトルーパー』から生まれた音楽展開ですが、その重心はかなり違います。

NG5は、草尾毅さん、佐々木望さん、竹村拓さん、中村大樹さん、西村智博さんという声優本人の存在が前景化していった企画でした。

一方、『鎧真伝』のキャラクターソングは「歌:凱」「歌:北条武蔵」「歌:石田紫音」というように、表記そのものがキャラクターを主語にしています。

ここから見える流れを僕なりに整理すると、こうです。

旧作では、キャラクターへの熱が声優本人へ流れ出した。

新作では、すでに多彩な活動をすることが当たり前になった声優の表現力を使い、もう一度キャラクターへ熱を戻している。

この「向きの反転」が面白いんです。

もちろん、NG5以前にも音楽活動を行う声優は存在しており、NG5だけをすべての起点と呼ぶのは正確ではありません。

それでも『鎧伝サムライトルーパー』をきっかけに主要男性声優5人が作品を越えて注目され、一般メディアにまで進出した事実を考えれば、その後の男性声優人気を語るうえで大きな転換点の一つだったとは言えます。

そして2026年には、その先に育った巨大な「声優が歌う文化」を当然の前提として、さらに一歩先の遊びができる。

誰が歌えるかではない。

誰に、どの曲を歌わせれば、その人物が違って見えるか。

時代が一周したようでいて、実はちゃんと先へ進んでいます。


なぜ「TOKIO」「Runner」「サムライハート」をキャラクターに歌わせたのか?

ここからは私見です。

ネットでは今回のキャラクターソングを「昭和・平成の名曲を声優が歌う懐メロ企画」と整理したくなるところですが、僕はそれだけでは説明しきれないと思っています。

というのも、細かく曲の配置を見ると妙なんです。

たとえば「Runner」は第4話では妖邪BAND(ASH)が歌い、キャラクターソング版では織田龍成が一人で担当します。「My Revolution」は第10話で妖邪BAND(SERRA)が歌ったあと、アルバムでは凱のソロへ渡されました。

同じ楽曲なのに、「劇中で鳴っていた曲」と「特定の人物が自分の声で歌う曲」では、受け取り方が変わります。

つまりキャラソン版は、既存曲に新しい意味を足すための「二度目の演出」なのではないでしょうか。

とくに「Runner」という曲名から連想されるのは、立ち止まらず前へ進み続ける運動性です。

それを織田龍成一人に預けることで、曲そのものが持っていた疾走感を「龍成という人物をどう見るか」というフィルターへ変換できる。歌詞を説明的にキャラクター専用へ書き換えなくても、選曲だけで人物像を照らせるわけです。

さらに凱の「TOKIO」と「My Revolution」を並べてみると、ひとりの人物に複数の既存曲を割り当てることで、単純な一曲一属性では終わらない設計になっています。

キャラクターソングなのに、新規の歌詞で人物像を説明しない。

むしろ既に文化的な記憶を背負っている曲を人物へぶつけ、両者の間に発生する意味を読ませる。

これ、かなり大胆です。

そして決定的なのが「サムライハート」。

『鎧真伝』第5話で使用された「サムライハート」は、もともと1988年の『鎧伝サムライトルーパー』で森口博子さんが歌った第二部オープニングテーマです。2022年には森口さんによるセルフカバーと、真田遼役・草尾毅さんによる「サムライハート ~烈火~」も展開されていました。

その曲が2026年には、vol.1で凱・上杉魁人・織田龍成、vol.2で北条大和・北条武蔵・石田紫音へと渡されています。

ここなんですよ。

単なる「昔の主題歌を新キャストが歌いました」なら、一組によるカバーだけでも成立するはずです。

ところが実際には、同じ「サムライハート」が異なる組み合わせへ分割されている。

僕にはこれが、旧作の象徴だった一曲を、新世代の誰か一人に継承させないための配置に見えます。

烈火のリョウの後継者を一人決めて、その人物だけに「サムライハート」を背負わせるのではない。

複数の人物へ声を分散させることで、「サムライトルーパー」という名前そのものを新しい世代全体へ受け渡しているのではないか。

もしそうなら、この選曲は懐古ではなく継承です。

昔の曲を持ってきたのではない。昔の曲を、今の登場人物たちの間で分け直した。

……いや、これに気づくと「サムライハート」がキャラソンアルバムの中に二度置かれていること自体、急に意味深に見えてくるんですよね。


NG5から2026年のキャラソンへ|「5人」をどう受け継いだのか考察

もう一つ、どうしても気になる数字があります。

「5」です。

旧作のNG5は、その名の通り『鎧伝サムライトルーパー』の主要キャラクターを演じる声優5人で成立しました。

2026年のアルバムでも、vol.1のオリジナル曲「ブレイブ・トルーパー」は凱、上杉魁人、北条大和、北条武蔵、織田龍成の5人。

vol.2の「サムライソウル」は凱、上杉魁人、北条大和、北条武蔵、石田紫音の5人が歌っています。公式MVでは「仁・義・礼・智・信」といったサムライの魂や、彼らの成長を表現する曲として紹介されています。

一見すれば、単純に「主要メンバー5人だから5人で歌う」というだけの話でしょう。

でも僕は、少し違う見方をしています。

vol.1では織田龍成が5人の中に入り、vol.2では石田紫音がその位置へ入る。

つまり「5人」という枠は残り続けるのに、そこへ入る人物は固定されていないんです。

これ、単なるメンバー変更で片付けていいんでしょうか。

『サムライトルーパー』は昔から、「最強の一人」を作る物語というより、それぞれ違う性格と力を持つ者たちが集まったときに初めて成立するチームの物語でした。

だとすれば2026年版の音楽展開でも、重要なのは特定の五人を永久固定することではなく、五つの声が重なった瞬間に“サムライトルーパー”という形が完成することなのかもしれません。

NG5では、五人の声優本人が一つのユニットになりました。

『鎧真伝』では、異なるキャラクターの五つの声が一曲に集まります。

似ているのに、決定的に違う。

1989年には、キャラクターの外側にいる「声優」を見たいという欲望が爆発した。

2026年には、その声優文化が成熟したからこそ、もう一度キャラクター側へ焦点を戻し、「この声をこの人物が発したらどう響くのか」というところまで遊べる。

NG5の再現ではありません。

むしろNG5が開いた扉を通り抜けたあと、約37年かけて反対側から同じ場所を見直しているように思えます。

アニメから声優へ。

声優から、再びキャラクターへ。

その往復の真ん中に、ずっと「五人の声」がある。

ここまで設計されているのだとしたら――サムライトルーパーという作品、音楽まで含めて本当にしぶとく「五人であること」を手放さないんですよ。こういう構造を見つけてしまうと、たまらない。



まとめ|サムライトルーパーのキャラソンとNG5は約37年越しの音楽史

『鎧真伝サムライトルーパー』では、2026年5月27日に「CHARACTER SONG ALBUM vol.1」、6月24日にvol.2が発売されました。

vol.1は全8曲、vol.2は全9曲で、「TOKIO」「Runner」「涙のリクエスト」「My Revolution」「雨あがりの夜空に」など劇中でも使われた楽曲を、今度はキャラクター自身が歌う構成です。

一方のNG5は、草尾毅さん、佐々木望さん、竹村拓さん、中村大樹さん、西村智博さんによって1989年に結成された男性声優ユニットでした。

テレビシリーズ終了後からOVAまでの期間をつなぐ活動として始まりながら人気が急拡大し、CD、ライブ、映像作品、一般メディア出演へと展開。草尾さんの後年の証言では、関係者が増えて活動が複雑化するなか、決定的な対立に至る前に解散を選び、活動期間は2年弱となりました。

NG5と2026年のキャラソンは、同じ企画ではありません。

ただし、キャラクターの声をアニメ本編だけで終わらせず、音楽によって別の場所へ連れ出すという発想では、確かにつながっています。

そして「サムライハート」が旧作の主題歌から新作の劇中歌へ、さらに複数の新世代キャラクターへと受け渡された事実を見ると、これは単純な懐古企画ではなく、「声を誰が継ぐのか」を音楽で描く試みにも見えてきます。

昔を知る人には懐かしく、新作から入った人には新しい。

その二つが同時に成立する場所に、『サムライトルーパー』の音楽史は今も続いているのだと思います。



よくある質問

サムライトルーパーのNG5とは何ですか?

『鎧伝サムライトルーパー』の主要キャラクターを演じた草尾毅さん、佐々木望さん、竹村拓さん、中村大樹さん、西村智博さんの5人によって、1989年に結成された男性声優ユニットです。

NG5はなぜ解散したのですか?

草尾毅さんは後年、人気拡大によってさまざまな関係者が加わり、活動がぎくしゃくし始めたため、メンバーが決定的にばらばらになる前に解散を選んだと振り返っています。活動期間は2年弱でした。

『鎧真伝サムライトルーパー』のキャラソンvol.2は全何曲ですか?

全9曲です。「涙のリクエスト」「リンダ リンダ」「サムライハート」「夢を信じて」「My Revolution」「雨あがりの夜空に」「サムライソウル」に加え、「サムライソウル」のshort ver.とinst.が収録されています。

相沢 透(あいざわ・とおる)/物語の深淵を覗く考察ブロガー

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